抄録
重症患者は,インスリン抵抗性の増大により高血糖を生じる.2008年版のSurviving Sepsis Campaign guidelinesでは,この急性期高血糖を150mg/dL以下にコントロールするよう提言している.しかし,集中治療患者の血糖降下療法を検討する無作為化比較試験のうち,最も大規模な研究であるNICE-SUGAR trialは,強化インスリン療法が患者死亡率を増加させることを示した.今後,新たな知見が加わるまでは,144~180mg/dLを目標とする“安全な血糖管理”が推奨されるようになると考えられる.