抄録
本研究は,流出モデルのパラメータを同定するために,大域的探索法の一種であるparticle swarm optimization (PSO)アルゴリズムを適用し,その有用性を確認したものである.パラメータ数の異なる4種の直列タンクモデルに対し,the shuffled complex evolution method(SCE-UA),改良されたSCE-UA,改良されたSCE-UAに初期パラメータを与えたもの, PSO,改良されたPSO,改良されたPSOに初期パラメータを与えたものの6種の大域的最適化手法を適用し,パラメータの最適化性能を比較した.その結果,ほとんどのケースにおいてPSOとSCE-UAは同等の性能を示すこと,モデルのパラメータ数が多い場合,パラメータの探索範囲が広い場合,同定期間が短い場合,データに多くの不確定性が含まれている場合において,PSOがSCE-UAよりも高い性能を示すことが確認された.特に,改良されたPSOに初期パラメータを与える手法が最も安定して高い性能を示した.