水文・水資源学会誌
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PSOアルゴリズムによる流出モデルパラメータの最適化
多田 毅
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2007 年 20 巻 5 号 p. 450-461

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抄録
本研究は,流出モデルのパラメータを同定するために,大域的探索法の一種であるparticle swarm optimization (PSO)アルゴリズムを適用し,その有用性を確認したものである.パラメータ数の異なる4種の直列タンクモデルに対し,the shuffled complex evolution method(SCE-UA),改良されたSCE-UA,改良されたSCE-UAに初期パラメータを与えたもの, PSO,改良されたPSO,改良されたPSOに初期パラメータを与えたものの6種の大域的最適化手法を適用し,パラメータの最適化性能を比較した.その結果,ほとんどのケースにおいてPSOとSCE-UAは同等の性能を示すこと,モデルのパラメータ数が多い場合,パラメータの探索範囲が広い場合,同定期間が短い場合,データに多くの不確定性が含まれている場合において,PSOがSCE-UAよりも高い性能を示すことが確認された.特に,改良されたPSOに初期パラメータを与える手法が最も安定して高い性能を示した.
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© 2007 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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