日本地すべり学会誌
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論文
進行性破壊を考慮した新しい斜面安定解析法
大西 一賢蒋 景彩
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2015 年 52 巻 3 号 p. 113-122

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抄録

 極限平衡法の枠組み内で進行性破壊を考慮した新しい斜面安定解析法を開発した。スライス底面ごとに局所安全率を定義し,未知量の増加による不静定問題を,1つの新奇なアイディアを導入して静定化している。荷重を増分的に載荷しつつ最終荷重に至るまで繰り返し計算を進める荷重増分法を適用し,得られた局所安全率の大きさによって進行性破壊の様相をうまく表現することに成功している。なお,本手法によればピーク強度から残留強度への低下現象である軟化現象も考慮できる。本手法を仮想斜面とダム盛土の崩壊事例に適用し,有限要素法の解析結果との比較・検討を行った。いずれの事例も本提案法による破壊域の進展が有限要素法のそれらとほぼ一致した。

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© 2015 公益社団法人 日本地すべり学会
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