Journal of Pesticide Science
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ピリミジニルサリチル酸系除草剤による植物アセト乳酸シンターゼ阻害
ピリミジニルサリチル酸系除草剤の作用機構 (第1報)
清水 力中山 礎中尾 徹根津 征夫阿部 洋
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1994 年 19 巻 1 号 p. 59-67

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抄録
棉用除草剤 pyrithiobac sodium (商品名 Staple) に代表されるピリミジニルサリチル酸系除草剤のイネ生育抑制およびクロレラ増殖阻害は, 3種の分岐鎖アミノ酸の同時添加によりほぼ完全に回復した. 本系統化合物は低濃度で分岐鎖アミノ酸生合成経路上のアセト乳酸シンターゼ (ALS) を阻害したが同経路上のケトール酸レダクトイソメラーゼには影響を与えなかった. この結果, 本系統化合物の作用点はALSであると判断定れる. 一方, pyrithiobac は棉ALSとその他の植物ALSを同程度の強定で阻害したことから, 本剤の棉に対する選択性はALSの感受性以外の要因に依存していることが示唆定れた. また, 本系統化合物は単離葉緑体の光合成電子伝達系には影響を与えなかったが, 黄化葉の葉緑素生合成には弱い阻害効果を示した.
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