Journal of Pesticide Science
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イネいもち病菌のメラニン生成と表皮貫入のトリシクラゾール, ピロキロン, テトラクロロフタリド, PCBA, クマリンおよび関連化合物による阻害
Charles P. WOLOSHUKHugh D. SISLER
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1982 年 7 巻 2 号 p. 161-166

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抄録

トリシクラゾール, ピロキロン, 4, 5, 6, 7-tetrachlorophthalide, PCBA, クマリン, pp-389 (4, 5-dihydro-4-methyltetrazolo [1, 5-a] quinazolin-5-one), s-triazolo [4, 3-a] quinoline, およびN-methyl-2-quinolone はそれらの殺菌濃度以下でイネいもち病菌のメラニン生成を阻害した. これら化合物はイネいもち病菌の培養中での生育, セイロンベンケイ Bryophyllum pinnatum 表皮片上での分生子発芽および付着器形成を阻害しないが, 付着器のメラニン生成を抑制し表皮貫入を阻害した. 対照区付着器では80ないし90%の菌糸が表皮貫入した. これらの場合, メラニン生成した付着器でのみ表皮貫入が安全に行なわれた. 供試化合物はイネいもち病菌において scytalone からのメラニン生合成を阻害するが, vermelone からのメラニン生合成は阻害しない. 以上の実験結果から, これら化合物が病原菌に作用して, 類似または同一のメカニズムにより表皮貫入に必要な付着器の機能を阻害して作物保護作用を行なうことが示唆される.

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