育種学研究
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原著
イネ日本型品種における食味の粘りおよび外観に関与する量的形質遺伝子座の検出
田中 勲小林 麻子冨田 桂竹内 善信山岸 真澄矢野 昌裕佐々木 卓治堀内 久満
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2006 年 8 巻 2 号 p. 39-47

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抄録

イネ日本型品種コシヒカリとアキヒカリの交雑F1の葯培養に由来する半数体倍加系統群を用いて,食味に関与する量的形質遺伝子座(quantitative trait loci: QTLs)の検出を試みた.食味は食味官能試験による「外観」と「粘り」,アミロース含量およびビーカー法による炊飯光沢によって評価した.その結果,第2染色体のDNAマーカーC370近傍,OPAJ13および第6染色体のR2171近傍に,コシヒカリの対立遺伝子が食味官能試験の「粘り」を増加させるQTLが検出された.また,第2染色体のOPAJ13近傍にコシヒカリの対立遺伝子がアミロース含量を低下させるQTL,第2染色体のC1137近傍にコシヒカリの対立遺伝子が炊飯光沢を増加させるQTLが検出され,「粘り」を増加させるQTLとの関連が示唆された.以上の結果から,コシヒカリの良食味には,第2染色体に見いだされる一連のQTLが大きく影響していると推察された.

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© 2006 日本育種学会
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