日本透析療法学会雑誌
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微量元素と透析患者の貧血について
細川 進一西谷 裕友吉 唯夫沢西 謙次吉田 修
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キーワード: 透析貧血
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1987 年 20 巻 4 号 p. 323-327

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抄録

慢性血液透析患者の貧血と, 微量元素〔アルミニウム (Al), 亜鉛 (Zn), ニッケル (Ni), マンガン (Mn)〕 との関係について臨床的に検討を加えた. 血液透析患者40例を対象として赤血球数 (RBC), ヘモグロビン値 (Hb), ヘマトクリット値 (Hct) と血清中のAl, Zn, Ni, Mnとの関係を比較検討した.
透析患者の血清Al値とRBC, Hb, Hct値との関係はr=0.668, p<0.05, r=-0.53, p<0.05, r=-0.65, p<0.05といずれも有意な負の相関を認めた. 血清Zn値とRBC, Hb, Hct値との関係はr=0.93, p<0.01; r=0.87, p<0.01; r=0.93, p<0.01といずれも有意な正の相関を認めた. 血清Ni値とRBC, Hb, Hct値との関係はそれぞれr=0.929, p<0.01; r=0.92, p<0.01; r=0.87, p<0.01といずれも有意な正の相関を認めた. 血清Mn値とRBC, Hb, Hct値との関係はr=0.967, p<0.01, r=0.94, p<0.01といずれも有意な正の相関を認めた.

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© 社団法人 日本透析医学会
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