農業土木学会論文集
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直播水田における圃場単位の水利用に関する事例的研究
坂田 賢堀野 治彦三野 徹
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2001 年 2001 巻 212 号 p. 99-104,a1

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抄録

滋賀県蒲生町横山地区において, 1995-1999年に大区画水田で直播栽培と移植栽培の水収支測定を実施し, 用水計画との比較を行った.その結果, 主に以下のような知見が得られた.i) 灌漑初期においては, 直播栽培は移植栽培と比較して多量の水を必要とする.ii) 湛水土中直播栽培 (湛直) における灌漑初期の取水が多くなるのは, 直播栽培の播種適期と用水量計画のずれが原因の一つである.iii) 灌漑普通期では, 移植栽培に比べ乾田直播栽培 (乾直) では代かきを行わないために浸透量が多くなる傾向がみられ, 湛直では年や圃場ごとの変動が大きくなる.iv) 移植栽培と湛直の減水深は計画減水深の範囲内に収まるが, 省力化に伴う栽培管理用水の発生を考慮すると, 用水計画に栽培管理用水量を別途上乗せする必要がある.v) 直播栽培導入による有効雨量への影響は軽微である.

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© 社団法人 農業農村工学会
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