抄録
本研究は東日本大震災後一週間のTwitterのデータを元に,震災時のハッシュタグを用いたコミュニケーションの実態を明らかにし,今後の効率的な利用に向けての提言を行うことを目的とする.まずハッシュタグの基本統計量と周知目的Tweetの推移から公式ハッシュタグ化が効果的であることを示した.またハッシュタグの内容分析から,多くのハッシュタグが目的に沿って用いられているが,救助と物資支援を明確に区別する必要があることを示した.さらに,被災地自治体名のハッシュタグの利用傾向より,劣悪な通信インフラにも関わらずTwitterが被災地で用いられていたことが明らかとなり,市町村レベルなどの,よりローカルなコミュニケーションの推進が有意義である可能性が示唆された.