Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
⌈京都府がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会⌋の評価
小西 洋子細川 豊史神林 祐子藤本 早和子岡田 耕二
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2010 年 5 巻 2 号 p. 152-161

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抄録

厚生労働省の指針に準拠した⌈がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会⌋を2008年6月7日, 8日にわが国で最初に京都で開催した. 研修会受講者は, 医師56名のほか, 自由参加の看護師77名, 薬剤師23名およびその他の医療関係者の合計163名であった. 研修会の前後に行ったそれぞれ7つの分野群からなる25問のプレテストとポストテストの結果を解析し, 研修会の教育効果の評価を試みた. ただし, 設問内容は, 医学的知識を必要とするものであったため, 解析対象を医師・看護師・薬剤師に限定した. プレテストの平均正答率は医師87.9%(全体78.9%), ポストテストは医師94.9%(全体89.1%)であった. 成績は有意に上昇し, 研修会は有意義であったと考えられた. しかし, 精神症状に関する設問については, 医師, コメディカルともに, 研修会の前後で最も低い正答率であった. これらの結果は, 今回実施した研修会は十分な教育効果をもたらしたが, 精神症状関連の重点研修が今後必要であることを示している. Palliat Care Res 2010; 5(2): 152-161

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© 2010 日本緩和医療学会
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