脳卒中
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原著
脳卒中治療ガイドライン2004発表前後における急性期脳梗塞診療実態の比較
─富山県における多施設共同調査─
高嶋 修太郎豊田 茂郎田中 耕太郎遠藤 俊郎桑山 直也佐々木 尚冨子 達史久保 雅寛木谷 隆一原田 淳山谷 和正野上 予人本道 洋昭青木 賢樹安川 善博高堂 松平小出 謙一郎北林 正宏稲生 暁春武田 茂憲
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2009 年 31 巻 5 号 p. 298-306

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抄録
【目的】脳卒中治療ガイドライン2004の発表前後で急性期脳梗塞診療の変化を検証する.【方法】2003年と2006年の各々2月1日~7月31日の6カ月間に富山県内の主要9病院へ入院した急性期脳梗塞患者を調査解析した.【結果】症例数は2003年293例/2006年237例.臨床病型は,ラクナ梗塞;39%/37%,アテローム血栓性脳梗塞;28%/30%,心原性脳塞栓症;21%/22%.心原性脳塞栓症では3時間以内の来院は34% から57% へ有意に増加した.しかし,2006年では発症3時間以内に来院した74例(31%)のうちrt-PA静注による血栓溶解療法は5例(2.1%)のみに施行された.治療開始前の病巣確認は43% から52% へ有意に増加し,MRI拡散強調画像の施行は54% から92% へ有意に増加した.【結論】ガイドライン発表後,臨床病型を考慮して治療が行われる傾向にあった.しかし,血栓溶解療法の実施率は未だ低かった.
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© 2009 日本脳卒中学会
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