1991 年 17 巻 5 号 p. 916-923
高度熱エネルギー有効利用の観点から, ヒートポンプ用要素反応として基本的に優れた特徴を有するCa(OH)2/CaO系可逆反応を利用したケミカルヒートポンプにおいて, その性能向上に対して検討課題の1つとなっている固体反応層の伝熱性能の向上に主眼をおき, 本ヒートポンプの性能向上のための実験的検討を行った.
その結果, エネルギーを要しないパッシブな伝熱促進である反応器内試料充填層に銅プレートフィンを挿入する方法を適用することにより比較的簡単に蓄熱密度を下げることなく, 反応層内の温度分布をなくしつつ反応器の熱入出力速度を大幅に高め得ることが確認された.