抄録
遺伝的アルゴリズムを用いてジョブショップスケジューリング問題を解く際に, 個体集団内の遺伝子の状況判断や工程の特性判断のアルゴリズムを加えることで, 限られた情報から効率よく好適解を得ることのできる遺伝的アルゴリズムを開発することを目的とし, (1) 中域的な探索能力の向上を目的に, 適応度の高い個体から優良な遺伝子を抽出する優良遺伝子抽出法と, (2) 局所的な探索能力向上を目的とした, 優秀な個体の近傍の解空間を探索するエリート近傍探索法と, (3) 状況に応じて, 良いスケジュールを生成しそうな可能性のみを検討するオーバール-ルの3方法を提案した.
これらの方法をMuthとThompsonのジョブショップスケジューリング問題に適用してその効果の検討を行い, 今回提案した3方法の特徴を活かして組み合わせた遺伝的アルゴリズムを用いることで, 比較的大きなジョブショップスケジューリング問題に対しても実用的な好適解が得られることを明らかにした.