化学工学論文集
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23 巻, 2 号
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  • 中西 英二, 磯部 靖三, 高松 武一郎, 安岡 弘陽, 伊東 速水, 熊沢 英博
    1997 年 23 巻 2 号 p. 137-142
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    LCAにより利用済みプラスチック製品のリサイクル問題を検討する場合, 利用済み製品に対してどのような環境影響指標を設定するかによりリサイクルに対する環境影響評価結果が異なってくる.本論文ではリサイクルを促進するという観点からすれば利用済み製品の累積CO2排出原単位を0として処理するのが合理的であると結論づけた.この結論に基づき利用済みPETボトルのリサイクルの環境影響評価についてシミュレーションを行い, その結果, PETボトルのような石油化学製品はで焼却に伴いエネルギー回収がなされる一方で, その際多量のCO2を発生するため焼却工程でのCO2排出負荷が大きくなること, 再生ペレットを使用することによりカーペットの累積CO2排出原単位が減少し地球環境へのCO2排出削減に貢献することが結論された.
  • 幡手 泰雄, 満留 憲二, 上村 芳三, 愛甲 涼子, 柏田 雅徳, 河野 恵宣, 大森 俊郎, 下田 雅彦
    1997 年 23 巻 2 号 p. 143-148
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    エタノール水溶液中の微量成分 (n-プロピルアルコール, イソブチルアルコール) のマーフリー段効率を10段オルダーショー型精留塔を用いて決定した.エタノール-水系の共沸組成で操作することにより微量成分の平衡比を全段とも一定にし, 正確なマーフリー段効率を求めることができた.次の結果を得た.
    1) 2つの微量成分の段効率はほとんど同じ値であり, 圧力を101.3から12.7kPaに減少させるとともに段効率も0.80から0.65と減少した.
    2) 間欠還流, 連続還流とも同じ結果を示し, 間欠還流で得られた実験室規模データも工業規模で用いられる連続還流の予測に使用できることがわかった.
  • 佐治 明, 高村 幸宏, 野田 英智, 渡辺 藤雄, 松田 仁樹, 架谷 昌信
    1997 年 23 巻 2 号 p. 149-156
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    本研究では, 燃焼排ガスからの二酸化炭素分離回収に対し, 圧力スイング吸着法 (PSA) の適用を検討した。システムとして, ドライベースで10%程度含まれる二酸化炭素をPSA単段で分離し, さらに後段で深冷分離法にて液化濃縮することを前提に, PSA入口および出口の二酸化炭素濃度, 回収率に対し吸着材の材料面およびPSA操作条件の両面について, その影響を調べた.
    ゼオライト13X系の吸着材を用い, PSA操作条件を最適化することにより, PSA単段で製品CO2濃度約70%, 回収率90%以上に到達することを明らかにした.また, 後段の深冷分離プロセスにおいて, オフガスをPSA入口に還元することで, 最終製品濃度99%以上, 回収率も90%を越えるシステムが構築できることを確認した.
  • 小野 実信, 佐藤 幾郎, 栗山 雅文, 門叶 秀樹, 今野 宏卓
    1997 年 23 巻 2 号 p. 157-162
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    乳業における乳化工程について基礎的知見を得ることを目的として, ディスク有孔型後退角付ピッチドタービン翼を備えた実用50リットル撹拌槽による高粘性液滴の分散実験を行った.その結果, 操作条件をある程度変化させた時の最終滴径および過渡滴径データを得た.また, これらの滴径が小型ラシュトンタービン翼撹拌槽に関する先の研究で提案した相関式によって良好に表し得ることがわかった.
  • 甲賀 誠, 萩原 豊
    1997 年 23 巻 2 号 p. 163-169
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    高燃焼速度の過塩素酸アンモニウム (過安) 系コンポジット推進薬を得るためには微粒過安, 特に10×10-6m以下の過安が必要である.本実験では, 次のような凍結乾燥法により安全に球状の10×10-6m以下の微粒過安を調製する方法を開発した.この方法とは, 水や過安をほとんど溶解しない有機溶剤を過安水溶液中に分散させてO/W型エマルションを生成し, それを液体窒素に注ぎ凍結させ, その凍結物を凍結乾燥するものである.調製された過安の平均粒径 (Dav [m]) は, 過安水溶液と有機溶剤の界面張力 (σ [N・m-1]) によって決まり, 0.5×10-2N・m-1≦σ≦4.9×10-2N・m-1の範囲内で, Dav= 0.186 ×10-6で表された.なお, 界面活性剤の添加は, σの低下に有効であったが, トルエン以外の有機溶剤では, 調製過程中に泡沫が発生したために, Davは上述の関係式からはずれて大きくなり, 球状以外の粒子が大半を占めた.
  • 花熊 克友, 中矢 一豊, 竹内 健史, 佐々木 隆志, 中西 英二
    1997 年 23 巻 2 号 p. 170-174
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    プロセス異常信号の検出においてしきい値の設定は難しい。本論文では, 自己回帰モデル推定残差列の不偏分散と平均値の仮説検定によるプロセス異常信号の検出法を検討した.本法は, 逐次最尤推定法によりプロセス信号を自己回帰モデルに近似し, 現在と過去のモデル推定残差列の不偏分散の違いをF検定し, 平均値の違いをt検定することにより異常信号を検出する.
    本手法の有効性を確認するため, 直鎖状低密度ポリエチレン製造装置触媒供給系での触媒流量異常信号の検出に適用した.その結果, 不偏分散の違いをF検定する方法が異常信号の検出に有効であることがわかった.
  • 中神 匡人, 石田 愈
    1997 年 23 巻 2 号 p. 175-180
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    遺伝的アルゴリズムを用いてジョブショップスケジューリング問題を解く際に, 個体集団内の遺伝子の状況判断や工程の特性判断のアルゴリズムを加えることで, 限られた情報から効率よく好適解を得ることのできる遺伝的アルゴリズムを開発することを目的とし, (1) 中域的な探索能力の向上を目的に, 適応度の高い個体から優良な遺伝子を抽出する優良遺伝子抽出法と, (2) 局所的な探索能力向上を目的とした, 優秀な個体の近傍の解空間を探索するエリート近傍探索法と, (3) 状況に応じて, 良いスケジュールを生成しそうな可能性のみを検討するオーバール-ルの3方法を提案した.
    これらの方法をMuthとThompsonのジョブショップスケジューリング問題に適用してその効果の検討を行い, 今回提案した3方法の特徴を活かして組み合わせた遺伝的アルゴリズムを用いることで, 比較的大きなジョブショップスケジューリング問題に対しても実用的な好適解が得られることを明らかにした.
  • 大平 勇一, 高橋 洋志, 安藤 公二
    1997 年 23 巻 2 号 p. 181-187
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    二重管型気泡塔の環状部における局所ガスホールドアップを実測し, その半径方向分布について検討した.3種類の異なる径を持つ内管を用い, 内管下端の環状部にガスを吹き込んだ.局所ガスホールドアップは探針法により測定した.環状部における最大及び平均ガスホールドアップはガス空塔速度の増加と共に増加したが, 本実験範囲では内管と外管の直径比の影響はほとんど認められなかった.環状部を流れる層流の液速度分布式に基づいて半径方向ガスホールドアップ分布の算式化を行った.実験式による計算結果と実験結果はよく一致し, 実験式が環状部の半径方向ガスホールドアップ分布をよく表すことを確認した.
  • 鶴見 和則, 井上 勝利
    1997 年 23 巻 2 号 p. 188-193
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    白金担持ゼオライト触媒は, 一般的に [Pt (NH3) 4] イオンをイオン交換法で粉末ゼオライトに担持し, 焼成, 還元したものを造粒して用いている.本研究では, 先に造粒されたゼオライトを担体として, テトラアンミン白金 (II) ジクロライドと, ヒドロキソペンタアンミン白金 (IV) トリクロライド (以降, Pt (II) アンミン及びPt (IV) アンミンと称する) によってイオン交換担持する方法で触媒を調製し, その担持状態と触媒作用の比較を行った.
    Ptアンミン錯体種の違いにより, ゼオライト造粒体内部へのPt担持深度に大きな差が生じた.Pt (IV) アンミンは, egg shell型の担持特性を示すことが判った.この差は, 担持深度と時間の関係から白金錯イオンの粒内拡散過程が律速であるためと考察した.メタンの触媒燃焼試験では, Pt (IV) アンミンによる白金ゼオライト触媒の方が外層担持型のために低温燃焼特性を示した.
  • 長谷川 晋一, 福井 啓介, 廣田 昇治
    1997 年 23 巻 2 号 p. 194-199
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    リキッドアイスと呼ばれる, 流動性のある氷が蓄冷材として特に注目されている.著者らは前論文で, 内径22mmの直管内において, 零下の非水溶性不凍液と水との直接接触による伝熱実験を行い, 容量係数に関する実験式を得た.本研究では, この容量係数に及ぼす管径の影響を調べ, 容量係数が管径比および流量比の一次関数で示されることを明らかにした.また蛇管を用いた同様の実験を行い, 蛇管を用いることによって装置の小型化を可能にした.蛇管の場合, 容量係数の管径への依存性がほとんど見られず, 流量比の指数関数で示された.
  • 平田 悟史, 田谷 正仁, 東稔 節治
    1997 年 23 巻 2 号 p. 200-207
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Chlorella sp. UK001細胞を, 二酸化炭素を炭素源, 光をエネルギー源とする光独立栄養条件下で培養した.入射光強度21.8Wm-2の下, 培養温度40℃のとき, 96時間の回分培養において, 平均細胞径が2.3μm (標準偏差SD=0.36μm) から11μm (SD=1.9μm) へ増大した.一方, 20, 30, 35, 45℃のときは, 平均細胞径の値は, ほとんど変化しなかった。実験条件下では, 細胞径の変化は, 温度40℃, 入射光強度.6~46Wm-2の範囲で起こり, このとき細胞数の増加は見られなかった.40℃の培養で得られた細胞について, 生存率と光照射下における酸素発生速度, および暗条件下における酸素吸収速度を検討した.この結果, この細胞は生細胞として充分な活性を保持していることがわかった.また, 静置条件下での沈降試験において, 40℃で96時間培養した細胞 (平均細胞径 : 11μm, SD=1.9μm) の懸濁液の界面沈降速度は, 30℃で96時間培養した細胞 (平均細胞径 : 2.3μm, SD=0.38μm) の約12倍となった.
  • 三上 敬史, 神谷 秀博, 堀尾 正靱
    1997 年 23 巻 2 号 p. 208-215
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    シンタリングによる効率低下を防止した新しい粉末冶金原料鉄粉の製造法として, 媒体流動層内鉄粉還元分離法を考案しその実現可能性を検討した.常温実験で媒体流動層内での鉄粉の偏析挙動および沈降挙動を測定し, ガス流速, 鉄粉粒径, 流動層高が鉄粉粒子挙動に及ぼす影響について検討した.その結果, 媒体粒子を用いると原料となる未還元鉄粉粒子は層上部に偏析して保持され, 還元に伴う付着性により凝集し粒径の大きくなった凝集体は層下部に速やかに沈降することを確認した.また, 媒体流動層を用いた高温還元実験により, 層全体の焼結による流動化停止をおこすことなく, 原料鉄粉から凝集体が生成すること, またその凝集体が成長し, 層下部へ沈降することを確かめた.温度が高い場合は, 非球形で粗な凝集体ができたのに対し, 比較的低い場合は球状で密な凝集体ができた.
  • 大久 保豊, 高橋 由樹
    1997 年 23 巻 2 号 p. 216-223
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    水平に置かれた平行平板の電極間において, 誘導帯電して飛昇する粉体粒子のフラックス量と電極間の粒子濃度に関し, ポリウレタン樹脂粉とアルミナ粉を用いて実験的に調べた.
    上部電極下面に接着剤を塗布し, 誘導帯電して飛昇し接着剤に付着する粒子重量を電圧印可時間に対して調べ, 得られた結果から付着重量の時間に関する回帰式を作成した.付着重量の時間変化から求めた初期フラックス量が, 粒子の密度, 粒子径, 帯電して飛昇する粒子のサイクル時間と本報で新たに提案する無次元の流量数で整理できることを明かにした.
    また, 電極間の粒子濃度に関するモデル式を構築し, この粒子濃度が, 上電極への粒子付着流量や電極内での粒子の循環時間によって定まることを明らかにした.
  • 入谷 英司, 赤塚 信也, 村瀬 敏朗
    1997 年 23 巻 2 号 p. 224-229
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    牛血清アルブミン (BSA) と卵白リゾチームの2成分系タンパク質溶液の沈降速度を, シュリーレン光学系を備えた分析用超遠心機を用いて測定した結果, タンパク質の荷電状態が超遠心沈降特性を支配する大きな因子となることを明らかにした.BSAとリゾチームが共に正の電荷をもつpHの溶液では, 分子間に働く静電的反発力の影響を受けて両者とも独立に沈降した.一方, 両者のタンパク質分子がお互いに反対の符号の電荷をもつpHの溶液では, 分子間に働く静電的引力の影響により両者のタンパク質の複合体が形成され, この複合体はBSAのみの沈降速度よりより大きな速度で沈降した.しかし, 溶液中に塩が十分に含まれる場合には, 分子表面の電気二重層が圧縮されるため, 分子間に働く静電的引力が弱められ, 複合体は形成されないことがわかった.本研究により, 溶液環境が2成分系タンパク質溶液の超遠心沈降に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。
  • 田口 佳成, 田中 真人
    1997 年 23 巻 2 号 p. 230-236
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    スチレンの懸濁重合が往復動撹拌方式を採用して実施された.実験では, 翼幅の異なる4種類の撹拌翼を使用し, 重合過程におけるポリマー滴径の経時変化や最終ポリマー粒子径分布に及ぼす影響を検討するとともに, 一方向撹拌方式の結果と比較した.
    往復動撹拌方式では, 一方向撹拌方式と比べてポリマー滴の合一が抑制され, 結果として小さく, かつ, 均一性の度合いが高いポリマー粒子が生成された.また, 往復動撹拌方式は, 粒径を広範囲に変化させることができた。
  • 大島 賢太郎, 傳 慶一, 奥山 喜久夫, 峠 登
    1997 年 23 巻 2 号 p. 237-242
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    超微粒子の凝集を抑制し光学機能を発現させる為に, 無機微粒子の中に無機超微粒子を分散・固定化させた構造をもつ複合微粒子, すなわち超微粒子複合化粉体を考案した.具体的には, 工業的製造が可能な噴霧乾燥法を用いて, SiO2ゾル, TiO2ゾルの混合物を出発原料としてTiO2/siO2複合微粒子の生成を種々の条件にて行い, 粒子径が0.48~0.59μmの球状微粒子が得られた.生成された微粒子の微細構造を電子顕微鏡を用いて観察したところ, TiO2超微粒子がSiO2微粒子 (超微粒子の凝集体) 中に分散・固定化していること, また噴霧液濃度の増加により生成粒子径も増大し, 生成粒子径と液滴径との間に相関があることがわかった.次にその光学特性を評価した結果, 本複合微粒子はTiO2超微粒子が有する可視光の高透明性および紫外線の高遮蔽性を発現し得ることがわかり, 今後は, 高透明性紫外線遮蔽剤として, 化粧品, 塗料分野などへの応用が期待される.
  • 真 隆志, 永吉 幸二, 塩盛 弘一郎, 馬場 由成, 河野 恵宣
    1997 年 23 巻 2 号 p. 243-250
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    トリ-n-オクチルアミンのトルエン溶液による酢酸, リンゴ酸, クエン酸, 乳酸の抽出平衡を303Kで測定した.本実験条件において, 全ての脂肪酸はトルエンにはほとんど分配しなかった.有機酸 (A) はアミン (B) と反応してイオン会合体を生成し, 酢酸の場合はAnB (n=1~6) 型, リンゴ酸とクエン酸の場合は (AB). (リンゴ酸n=1, 5/クエン酸 n=1, 6) 型, 乳酸の場合はAn Bm ((n≧m) n=1, 2, 3, 4, 5/m=1, 2) 型の会合体を形成するとした反応モデルで実験結果を説明することができた.更にこれらの生成平衡定数を明らかにした.
  • 宮武 修, 田川 公太朗, 高木 修一, 野田 英彦
    1997 年 23 巻 2 号 p. 251-258
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    深海の高圧を利用する逆浸透法海水淡水化システムを開発するために, 管型逆浸透膜と丸棒の間に形成される幅の適度に狭い環状流路内で, 濃度差に基づいて誘起される層流自然対流場における速度, 濃度および圧力の軸方向変化を数値解析した.その結果から, 流路幅, 流路長さ, 懸垂深さ, 膜透過係数および海水の物性値を用い, 淡水透過流量を予測する無次元式を提出した。淡水透過流量は, 流路幅が減少するにつれ, しだいに増大して約1~2mmで最大となったのち, 急激に減少することから, 流路幅に最適値が存在することがわかった.
  • 清山 史朗, 塩盛 弘一郎, 馬場 由成, 河野 恵宣, 吉澤 秀和, 幡手 泰雄
    1997 年 23 巻 2 号 p. 259-265
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    アスコルビン酸マグネシウム水溶液又は蒸留水を内水相とし, 生分解性高分子であるpoly (3HV-co-3HB) /縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリン/1, 2-ジクロロエタン混合液を有機相とした (W/O) エマルションを界面活性剤 (モノラウリン酸デカグリセリン) 及び分散安定剤 (ポリビニルアルコール) を溶解した外水相に分散させた (W/O/W) エマルションの液中乾燥法によって生分解性マイクロカプセルを調製した. (W/O/W) エマルションの液中乾燥完了までの安定性は膜物質濃度及び溶媒除去速度に依存することがわかった.また, マイクロカプセルの表面形状は一次乳化 ((W/O) エマルション調製時) の内水相体積分率に依存せず, 溶媒除去速度及び分散安定剤に大きく依存することがわかった.これらの因子を考慮した (W/O/W) エマルションの液中乾燥法によってマイクロカプセルの表面形状を制御することが可能となった。
  • 渕野 哲郎, 村木 正昭
    1997 年 23 巻 2 号 p. 266-271
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    化学プラントにおける保全コストの削減には, 設備の計画段階において保全を考慮した概念設計を行う必要があり, 代替案の比較検討を行う基準として, 保全コストの見積が重要となる.本研究は, 状態基準となる機器を対象とする停止保全コストの見積法の開発を目的とした.停止保全コストを精度よく見積もるためには, 予想劣化曲線 (劣化曲線) に基づき, プラントライフを通じて停止保全計画を最適化する必要があり, 化学プラントの特徴から, 停止時期と各停止時期に保全を実施する機器群を劣化曲線に基づき最適化する問題となる.本研究では, 任意の機器に対し連続する2運転期間の劣化履歴と保全の関係を考察し, 保全実施の有無を0/1整数変数を用いて表現することでこの部分問題をモデル化した.更にこれを機器全体およびプラントライフに拡張することで, 停止保全計画の問題を混合整数非線形モデルとし, 問題の特徴から整数計画モデルとして定式化した.
  • 脇阪 三郎, 関口 勲
    1997 年 23 巻 2 号 p. 272-279
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    アスファルトの界面化学的性状を把握するため, その基本物性となるアスファルトの温度と表面張力の関係を求めた.測定方法は, ポリエチレンに対して形成されるアスファルトメニスカスの接触角を測定し算出した.ここでポリエチレンの表面張力は, 温度と表面張力の関係が既知であるα-プロモナフタレンを用いて同様の測定法で決定した.その結果, アスファルトの針入度に関係なく, ほぼ同一の全表面エネルギーおよび表面エントロピーの値が得られた.またSaalのデータと比較すると, 293Kの表面張力においては約 10-2N/m, 表面エントロピーで約1オーダ, それぞれ高くなる結果を得た.次に針入度60-80のアスファルトを用いて熱劣化試験を実施し, アスファルトの表面性状が熱劣化の経時変化によりいかなる影響を受けるか検討した.その結果, 熱劣化が進行するにつれて, 内部凝集力の増加により全表面エネルギーおよび表面エントロピーは増加する結果が得られた.
  • 高橋 正博, 谷 ふみよ, 川井 裕子, 竹内 寛
    1997 年 23 巻 2 号 p. 280-285
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    di (2-ethylhexyl) phosphoric acid (D2EHPA) のn-ヘプタン溶液を用いた低pH域 (2~5) における6種のアミノ酸の抽出平衡が, 298.2Kで検討された.
    アミノ酸の分配比D+は, H+濃度の-1乗に, D2EHPA濃度の0.5乗に比例した.この結果に基づくアミノ酸の抽出平衡定数Kexの値として, Phe : 0.650mol0.5・m-1.5, Trp : 0.420, Leu : 0.320, Met : 0.275, Gly : 0.064, Ala : 0.040が得られた.最も大きいPheのKexの値は最も小さいAlaの値よりも約16倍大きく, これらの抽出平衡定数はアミノ酸の疎水性の値が大きくなるとともに増大した.
  • 西機 忠昭, 武藤 明徳, 片岡 健
    1997 年 23 巻 2 号 p. 286-288
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    The effects of several alcohol additions on backward extraction of lysozyme through the reverse micellar extraction were investigated. The reverse micellar phase was a 50 mol/m3 AOT/isooctane containing lysozyme in a concentration of 1 kg/m3 and the aqueous phase was a 1 kmol/m3 KCl solution at pH 11.5 containing the alcohol. There was little difference in the percent backward extraction with kind of alcohol, but the effect for accelerating backward extraction rate became large in the order of ethanol, isopropanol and 2-methyl-2-propanol.
  • 小貫 薫, 中島 隼人, 清水 三郎
    1997 年 23 巻 2 号 p. 289-291
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    The electrodialysis behavior of HIx solution (mixture of iodine and hydriodic acid) was examined using commercial ion exchange membranes, NEOSEPTA CMH and TOSFLEX IE-DF 34, from the viewpoint of concentrating HI. The concentration efficiency was found to be governed by ion selectivity and electric resistance of the anion exchange membrane, and also by water permeation through the cation exchange membrane due to osmosis and electroosmosis. The minimum current density required for the concentration was estimated using the measured electrodialysis rate of HI and the water permeation rate.
  • 榊 啓二, 遠藤 明, 大沢 利男, 小宮山 宏, 山田 興一
    1997 年 23 巻 2 号 p. 292-295
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    In this report, a solid oxide fuel cell (SOFC) system with fuel recycling was proposed, and its generation efficiency was evaluated. In the system, all of the fuel supplied is utilized for generation, and the open-circuit voltage is enhanced by the removal of CO2 and H2O from recycled fuel. Fuel recycling improves the generation efficiency of the SOFC system if the energy required for the separation of CO2 and H2O could be reduced to close to the separation free-energy.
  • 神吉 達夫, 浅野 強, 山下 洋, 上谷 進, 金 浩淑
    1997 年 23 巻 2 号 p. 296-299
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    The interfacial tensions of two phase extraction systems, D 2 EHPA in benzene/ cupric aqueous solution and D 2 EHPA in benzene/ferric aqueous solution, were measured by a laser light scattering method. The interfacial tensions were confirmed to exhibit specific dependencies of extractant and hydrogen ion concentrations as had been determined by the Whilhelmy plate method. It was also verified that in the solution system without metallic ion, the monomer extractant and its anion are surface active, in a copper extraction system there forms no surface active intermediate complex, whereas in iron extraction system, there forms the 1 : 2 intermediate complex which is surface active.
  • 山口 学, 橘 雅史
    1997 年 23 巻 2 号 p. 300-302
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Deformation and disintegration behavior for single water drops falling through a silicone oil phase in a DC electric field were studied experimentally. The experimental maximum deformation degree of the drops just before their disintegration agreed approximately with the theoretical value proposed by Taylor, but the experimental critical field strength for drop disintegration was lower about 26% than his theoretical one. Two types of electrical disintegration for falling drops were observed depending on the size of the drops : a small deformed drop was disintegrated by ejecting a series of smaller drops at its sharp pointed ends, while a large drop was elongated as a rod-like shape and immediately disintegrated into several small drops.
  • 伊地 知和也, 幡手 泰雄, 清山 史朗, 塩盛 弘一郎, 馬場 由成, 河野 恵宣
    1997 年 23 巻 2 号 p. 303-306
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Cross-linked polystyrene microcapsules with numerous uniform spherical pores were prepared by in situ polymerization of styrene-divinylbenzene in a (W/O/W) emulsion system. At first, the (W/O) emulsion was prepared by dispersing an aqueous inorganic salt solution into the organic solution consisting of styrene monomer, divinyl -benzene, ADVN, hexaglicerine ricynoreic acid and toluene. Then, (W/O/W) emulsion was prepared by dispersing the (W/O) emulsion into the outer aqueous solution containing sodium dodecylbenzene-sulfonic acid and polyvinylalcohol.
    Microcapsules having porous spaces in the sphere and on the surface were formed by in situ polymerization. The characteristics of microcapsules were found to be controlled by the operating conditions as salt in inner aqueous solution, the ratio of styrene and ADVN, concentration of styrene and surfactant in oil phase and fraction of inner aqueous solution.
  • 森山 龍一
    1997 年 23 巻 2 号 p. 307-310
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    It is already known that although a coarse bed achieved by central feeding flows down with a perfect mass flow during discharge, that of a dense bed achieved by peripheral feeding brings about a pulsating wall pressure at the hopper gate in a bin.
    This paper outlines the wall pressure generated during the discharge of a bed achieved by combinational filling methods, such as a coarse bed piled up above a dense bed or the opposite.
    As a result, it was found out that the severe pulsating wall pressure occured at the hopper gate, in the case of a combination bed achieved by central feeding on the surface after filling from the hopper gate to the initial upper parts of the cylindrical section by peripheral feeding.
    The mechanism was explained by reasoning that arching occuring at the hopper gate grows strong under flowing conditions such as becoming vertical load to flow joins above a dense filling bed unbecoming to a flow.
  • 藤吉 一誠
    1997 年 23 巻 2 号 p. 311-314
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    多孔質ガラスは表面シラノール基を含むため, 金属のアミン錯イオンを配位子置換機構により安定に吸着することが知られている.この性質を利用して, ニッケルとコバルトの分離実験を行なった結果, 助剤としてエチレンジアミン (以下enと略す) が適当であった (Fujiyoshi, 1994a).分離特性を理解するために吸着特性の解明が必要である.筆者は前報においてen単一系における吸着平衡およびen-ニッケル系における吸着平衡を検討した (idem, 1996).本報ではen-コバルト系の吸着実験を行って, コバルト錯イオンの吸着結果を質量作用則により整理し, 見かけの吸着平衡定数を算出した.さらに, コバルト錯イオンの酸化反応が吸着特性に及ぼす影響についても検討した.
  • 北崎 宏典, 石丸 順之, 井上 勝利, 中村 周二
    1997 年 23 巻 2 号 p. 315-318
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    In previous works, it was elucidated that baicalein and baicalin belonging to flavonoids can be mutually separated by solvent extraction with trialkylphosphine oxides. In this work, in order to obtain the basic information of separation of various kinds of flavonoids, i.e., flavone, flavonol, 7, 8-dihydroxyflavone, baicalein and baicalin, their aqueous solubilities and the extraction behavior with various kinds of extractants in hexane were examined.
    From these results, a separation process of flavonoids is proposed in the case that baicalin is a target substance.
  • 前田 俊之, 吉川 正晃, 山田 光昭, 松好 弘明, 平田 雄志
    1997 年 23 巻 2 号 p. 319-323
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Pitch fluoride is a new fluorine carbon compound which has superior water repellency with a contact angle of more than 145 degrees. In this study, adopting solid pitch fluoride as a starting material, liquid and solid glassy types of pitch fluoride were synthesized by direct fluorination at final temperatures ranging from 200°C to 400°C. The reaction conditions giving the maximum yield of liquid fluoride were investigated. Synthesized liquid pitch fluoride was distilled under a reduced pressure and fractionated at different temperatures. Measurements of average molecular weight and 19F-NMR and elementary analysis were conducted for the fractionated liquid fluoride as well as the synthesized liquid and glassy products, together with the measurements of surface tension, viscosity, refractive index and specific gravity.
  • 中野 健治, 下田 雅彦, 上村 芳三, 幡手 泰雄
    1997 年 23 巻 2 号 p. 324-326
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    A batch-rectification experiment to remove a minute amount of furfural from ethanol aqueous solution was carried out by use of an Oldershow-type column consisting of ten plates. At first, the experiment was carried out under total reflux conditions. Furfural was concentrated on the seventh plate from the top, and side-cut was carried out at this plate. The plate efficiencies of ethanol and furfulal were obtained from the total reflux condition data. A mathematical model was constructed and distillation curves of ethanol and furfural were calculated. It was shown that the calculated curves of ethanol and furfural agreed with the observed ones.
  • 浜田 豊三, 田谷 正仁, 東稔 節治
    1997 年 23 巻 2 号 p. 327-330
    発行日: 1997/03/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    The permeation fluxes for mixtures of water-ethanol at 343 K and water-2-propanol at 356 K were determined in pervaporation and vapor permeation experiments using a polyion complex membrane. The total permeation fluxes and separation factors were calculated by applying solution-diffusion theory to the data in both experiments, and separation indexes were obtained as the product of the calculated values of total permeation fluxes and separation factors. The separation indexes for water-ethanol and water-2-propanol mixtures in the pervaporation were higher than those in the vapor permeation at mole fraction of ethanol in feed solution above 0.82 and at that of 2-propanol above 0.43, respectively.
  • 1997 年 23 巻 2 号 p. e1a
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 23 巻 2 号 p. e1b
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 23 巻 2 号 p. e1c
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 23 巻 2 号 p. e1d
    発行日: 1997年
    公開日: 2010/11/22
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