1979 年 5 巻 5 号 p. 500-505
パルス・ジェット式バグ・フィルターは, 濾過速度を比較的大きく選ぶことができ, 含塵気流を止めずに払い落としが可能である.しかし, この方式の払い落とし性能に関する基礎的, 実験的研究は少ない.
本報では払い落とし性能に及ぼす種々の因子の影響を実験的に検討した結果, 次のような結論が得られた.
1) パルス噴射圧には最適値があり, 噴射は2回連続した方が効果がある.
2) 払い落とし残留率は粉塵負荷が大きくなると一定となる.
3) 気流を停止した払い落とし操作で, 金属製濾布支持枠に発生する電荷を測定したところ, 発生全電荷量は払い落とし粉塵量に比例せず, かつ関係湿度や集塵終了後払い落とし開始までの放置時間の影響を受けることがわかった.
4) 本実験における炭酸カルシウム粉塵と羊毛フェルト濾布の組み合わせでは, 関係湿度が中程度の時, 圧力損失は最小になるが, 影響は小さい.関係湿度の増加につれて, 払い落とし能力はわずかに向上する.