北関東医学
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当院における理学療法士および作業療法士の経験年数とアクシデント発生頻度の関連性
竹内 伸行
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2011 年 61 巻 3 号 p. 405-409

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抄録

【背景・目的】 近年, 経験年数の少ないスタッフのアクシデントが増加している. しかし経験年数とアクシデント発生頻度の関連性に関する報告は散見される程度である. 本研究の目的は若年理学療法士および作業療法士の経験年数とアクシデント発生頻度の関連性を検討し, 経験年数がアクシデント発生頻度の予測に有用か否かを明らかにすることである. 【対象と方法】 対象は本庄総合病院理学療法, 作業療法部門で生じたアクシデント事例42例であった. 各事例に関与したスタッフの経験年数と経験年数別発生件数を集計し, 両者の関連性を相関係数と回帰分析にて検討した. 【結 果】 経験年数と発生件数の間には強い負の相関 (rs=-0.82) を認め, 有意な回帰式 (発生件数=10.855-1.173×経験年数, R2=0.79, p<0.001) が得られた. 【結 語】 若年療法士の経験年数とアクシデント発生頻度には関連性があり, 経験が少ないほど発生頻度が高いと示唆された. 経験年数はアクシデント発生頻度を予測する因子として有用であると考えられた.

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© 2011 北関東医学会
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