杏林医学会雑誌
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特集
胃腫瘍(胃癌,胃粘膜下腫瘍)に対する内視鏡・外科治療の現況
阿部 展次竹内 弘久大木 亜津子長尾 玄森 俊幸杉山 政則
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2013 年 44 巻 2 号 p. 81-89

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抄録
 胃癌と胃粘膜下腫瘍における標準的な内視鏡・外科治療と,教室で新たに開発した治療に焦点を当てて概説した。我が国では,スクリーニングによって胃癌を早期に発見することで,内視鏡的粘膜下層剥離術に代表される内視鏡的治療や腹腔鏡下手術など,低侵襲かつ機能温存を目的とした治療法の開発・普及が急速に進んでいる。総じて,胃癌治療においては治療方針が系統的に細分化され,個々の病態に合わせたテーラーメイド的治療が実現しつつある。胃の粘膜下腫瘍に対しても,内視鏡的治療や腹腔鏡下手術が広く浸透しつつあり,新たに発刊された診療ガイドラインの認知も進んできた。また,教室では内視鏡的治療や腹腔鏡下手術を併用した新たな戦略を開発し,一部の早期胃癌,胃粘膜下腫瘍に対する究極の低侵襲オプションとして期待されるようになっている。
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© 2013 杏林医学会
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