2014 年 45 巻 4 号 p. 159-163
近年,食生活の変化や高齢化社会を背景として動脈硬化疾患は増加し,それに伴い末梢動脈疾患の増加を認めている。末梢動脈疾患には高率に虚血性心疾患を始めとした全身の動脈硬化疾患を合併することが知られており,とりわけ虚血性心疾患が末梢動脈疾患患者の予後規定因子として重要である。近年,そのような動脈硬化疾患・虚血性心疾患を管理する循環器内科において,末梢動脈疾患患者への関心は高まっている。末梢動脈疾患を治療する際は,全身の動脈硬化疾患を視野に入れて至適薬物治療を行い,病状に応じて適切な血行再建を選択することが,下肢治療と共に末梢動脈疾患患者の予後を改善させるために重要である。