2020 年 51 巻 3 号 p. 207-213
免疫チェックポイント阻害剤とくに抗PD-1/PD-L1抗体は,幅広い癌種において有効性が確認され,適応癌種が拡大している。消化器癌に対して,本邦では化学療法既治療の食道癌,胃癌,大腸癌の一部に抗PD-1抗体単剤療法が使用可能である(2020年8月現在)。また,肝細胞癌,胃癌,食道癌,大腸癌の一部においては,初回治療における免疫チェックポイント阻害剤単剤または併用療法の有効性が示されており,本邦でも近く使用可能となることが見込まれる。免疫チェックポイント阻害剤は,有効な症例には長期の効果が得られるものの,有効な患者は限定的であることから,免疫チェックポイント阻害剤の治療選択に有益なバイオマーカーの同定が望まれる。