日本内科学会雑誌
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アレルギー性肉芽腫性血管炎の本邦症例の臨床像と臨床診断基準の提唱
長澤 俊彦吉田 雅治
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1989 年 78 巻 3 号 p. 352-356

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抄録

本邦におけるアレルギー性肉芽腫性血管炎74症例の臨床的特徴について調査した.その結果, (1)好発年令は中・高年期にある, (2)男女差はない, (3)気管支喘息の病型はアトピー型とは限らない, (4)気管支喘息発症から血管炎症候群発症までの期間は3年以内が多い, (5)血管炎症候群の臓器症状として多発単神経炎がほぼ必発し,その他は皮膚,消化管,心症状が多い, (6)末梢血好酸球数は2000/mm3以上を示すが,ステロイド治療開始により速やかに正常化する, (7)ステロイド治療有効例が多い,などの諸事実を明らかにすることができた.これらの成績をふまえて,早期診断を目的とした本症の臨床診断基準を提唱した.

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