抄録
1995年のスギ花粉症患者160例にペミロラストカリウム (アレギサール®を投与し, その初期治療投与による症状抑制効果について検討した。有効性の解析は初期治療群47例, 飛散期治療群44例の計91例を対象とした。
初期治療群では飛散初期・中期において, 飛散期治療群と比較し, くしゃみ, 鼻閉, 日常生活の支障度に対して有意な症状の抑制を認めた。また, 初期治療群ではステロイド点鼻剤などの他剤を併用する率が有意に低かった。初期治療群を投与開始時期別に分けて検討すると, 飛散開始前に4週以上 (平均5.7週) 投与した症例の飛散初期における症状抑制効果は4週未満 (平均2.5週) 投与例より優れていた。
以上の成績より, 大量飛散の年においても, 本剤はスギ花粉飛散開始予想日前から投与することにより飛散初期・中期における鼻症状の軽減が図かれ, ステロイド点鼻剤などの併用の必要性が軽減されるなど, その初期治療効果が確認された。また, 飛散開始予想日の4週以上前から投与することにより有効性が高まるものと思われた。