耳鼻咽喉科展望
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掌蹠膿疱症に対する口蓋扁桃摘出術の効果と喫煙との関係
石川 忠孝浜本 誠大黒 慎二形浦 昭克
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1997 年 40 巻 2 号 p. 186-191

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抄録

掌蹠膿疱症にて病巣性扁桃炎と診断され, 昭和60年より平成7年まで当科において両口蓋扁桃摘出術 (以下, 扁摘) を施行し, 喫煙の有無が明らかな男性39名, 女性118名の計157名を対象とし, 患者の術後の喫煙の有無と扁摘の効果について検討した。術前の喫煙率は男性84.6%, 女性72.0%であり, 術後禁煙者は男性2名 (5.1%), 女性12名 (10.1%) であった。扁摘の効果について喫煙群, 術後禁煙群, 非喫煙群の3群に分類し, また術後の喫煙本数別についても検討を行った。扁摘の効果は, 術前を10とし術後の臨床症状の変化を基準として0を消失とし点数化した。術後の皮疹の変化は, 女性においては喫煙者が術後2.0であったのに対し非喫煙者では0.8であり (P<0.05), 喫煙本数が10本以上の群では術後2.1で0本では0.9であった (P<0.05) 。しかし男性では有意差を認めなかった。喫煙の扁摘の効果に影響を与える因子として性と喫煙本数が考えられた。

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