日本歯周病学会会誌
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細胞培養法を用いたスケーリング・ルートプレーニングの効果に関する研究
大島 光宏
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1987 年 29 巻 1 号 p. 65-75

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抄録

本研究の目的は, 細胞培養系を用いてスケーリング, ルートプレーニングの効果を調べることであった。
歯周炎罹患歯10本の表面から, プラーク, 歯石, 罹患歯質0~20μm, 罹患歯質20~40μm, またコントロールとして健全歯の表面から健全歯質0~20μm, 健全歯質20~40μmの削片をプラークは歯ブラシで, それ以外はスケーリングとルートプレーニングにより採取した。各削片を超音波処理して可溶成分の抽出を行ない, L929線維芽細胞の増殖に及ぼす影響を調べた。
この実験を4回繰り返して行なった結果, プラーク, 歯石, 罹患歯質0~20μmからの抽出物は細胞増殖抑制作用を示し, 罹患歯質20~40μm及び健全歯からの抽出物は細胞増殖を抑制しなかった。
以上より, 罹患歯根面の細胞増殖抑制物質はセメント質の表層20μm以内に存在することが示された。

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