理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
自宅退院する入院患者における退院前後での身体活動量の比較検討
大平 雄一西田 宗幹大西 和弘植松 光俊
著者情報
キーワード: 身体活動量, 疲労, 疼痛
ジャーナル フリー

2008 年 23 巻 2 号 p. 313-317

詳細
抄録

本研究では,自宅退院する入院患者の退院前後での身体活動量について比較検討することを目的とした。対象は自宅退院した回復期リハビリテーション病棟入院患者12名(男性3名,女性9名,平均年齢は72.1±9.3歳)とした。退院前3.2±1.0日と,退院後8.5±1.8日に24時間の身体活動量を携帯型身体活動量測定計アクティブトレーサーにて測定し,時間帯別の身体活動量についても比較した。また,主観的な活動感,疲労感や痛みの増減について調査した。その結果,身体活動量は自宅退院後有意に増加しており,特に19,20,21時帯の自宅での身体活動量が多かった。さらに,自宅退院後の疲労感や痛みの増加の訴えが多かった。このことより,スムーズな在宅生活への移行を図るためには入院中の身体活動量が不足しており,体力向上を目的とした理学療法プログラムや,病棟での身体活動量向上を図る介入が必要であることが示唆された。

著者関連情報
© 2008 by the Society of Physical Therapy Science
前の記事 次の記事
feedback
Top