日本臨床外科学会雑誌
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右胃大網動脈を用いた冠状動脈バイパス術後の胃癌に対し胃切除術を施行した1例
杉本 昌之長谷川 洋小木曽 清二坂本 英至伊神 剛森 俊治
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2002 年 63 巻 10 号 p. 2438-2442

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抄録

右胃大網動脈(RGEA)を使用した冠状動脈バイパス手術後に発症した胃癌に対し幽門側胃切除を施行した症例を経験した.症例は69歳,男性.平成11年3月,狭心症に対し,当院心臓外科にて左内胸動脈,右胃大網動脈,大伏在静脈をグラフトに用いCABGを施行した.平成12年9月,検診時に上部消化管内視鏡にて胃前庭部にIIc病変の存在を指摘された.深達度SMの早期胃癌と術前診断し, 12月19日に幽門側胃切除を施行. No, 1, 3, 4sb, 5, 7, 8, 9リンパ節を郭清, Billroth II法で再建した. No 4d, 6を郭清対象としないことで, RGEAグラフトを温存しえた.進行癌症例で根治性を期すためこれらの郭清を行うならば,場合によっては再CABGも必要とされる.

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