日本臨床外科学会雑誌
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高齢者の臍腸管遺残による小腸軸捻転の1例
湊 栄治大竹 耕平藤野 一平松本 収生嶋 廣一
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2004 年 65 巻 5 号 p. 1263-1266

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抄録

症例は83歳の女性. 1カ月前より軽い腹痛,嘔吐を時折認め近医通院中であったが, 2003年9月11日より腹痛が増強し当院を受診した.腹部は緊満するも軟であり,聴診では鼓腸音が認められた.腹部手術の既往はなかった.腹部単純写真では小腸ガス像および鏡面像がみられた.同日イレウス管の挿入を行ったところ翌日には腹部症状も改善し,イレウス管の造影で,造影剤は大腸まで流出が認められた.大腸内視鏡を施行したが特に異常は認められず,一旦イレウス管を抜去した. 9月27日に再度腸閉塞をきたし,開腹手術を施行した.臍部腹膜側から,回盲弁より80cm口側の回腸にいたる索状物が認められた.これを軸として時計回りに回腸が約360度捻転しており,臍腸管遺残に起因する小腸軸捻転と考えられた.

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