2005 年 66 巻 4 号 p. 940-944
症例は60歳,男性で検診の腹部超音波検査で多発性脾腫瘤を指摘され,当院紹介された.単純CT上軽度脾腫を認めたが腫瘍は不明であった.造影CTでは造影効果のない低吸収性腫瘤が多発していた. MRI上はT2強調画像では低信号を示していた. FDG-PET検査では脾臓のみに集積を認めた.以上より悪性リンパ腫を第一に考え,腹腔鏡補助下脾臓摘出術を施行した.病理組織検査上脾サルコイドーシス症と診断した. 5カ月後皮膚に再発をきたしたが,外用ステロイド治療で軽快している.