日本臨床外科学会雑誌
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腸閉塞をきたし術前診断した上行結腸間膜裂孔ヘルニアの1例
佃 和憲古谷 四郎高木 章司池田 英二平井 隆二辻 尚志
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2006 年 67 巻 8 号 p. 1926-1928

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抄録

上行結腸間膜に発生した腸間膜裂孔ヘルニアを経験したので報告する.症例は80歳,男性,開腹歴なし.右下腹痛のために病院受診し腸閉塞症と診断された.イレウス管を挿入し保存的加療を行うが,イレウス管造影において回腸がループ上になりその根部を索状物で狭窄された所見を認めたため,内ヘルニアと診断し開腹術を行った.回腸が15cmに渡り,上行結腸内側に存在した約3cmの異常裂孔に嵌入しており,還納後腸切除を行い,裂孔部は縫合閉鎖した.一般的に内ヘルニアの術前診断は困難ではあるが,今回はイレウス管造影で手術適応を決定することができた.

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