抄録
市販の空気清浄機による空中浮遊カビ胞子(生菌)の除去性能について評価試験を行った。陰圧管理ができる試験室を一般の実験室内に組み立て, その中に空気清浄機を設置した。この試験室内にWallemia sebiまたはPenicillium glabrumの胞子を空中超音波法により散布し, 散布後の試験室空気中に浮遊するカビ胞子をゼラチンフィルタ法により採取し, 空中浮遊カビ胞子(生菌)濃度を測定した。空気清浄機の稼働条件を, 空気清浄機off(対照試験), 空気清浄機onでイオン発生なし, および空気清浄機onでイオン発生ありの3条件とし, 空気清浄機の稼動条件と空中浮遊カビ胞子(生菌)残存率の経時変化の関係について調査した。空気清浄機に装着されているフィルタによる空中浮遊カビ胞子(生菌)の減衰は認められたが, イオン発生による空中浮遊カビ胞子(生菌)の減衰は認められなかった。