室内環境
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肺アスペルギルス症患者宅の室内浮遊真菌調査
川上 裕司高橋 佑子
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2007 年 10 巻 2 号 p. 155-162

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抄録
2005年7月5日, 長崎県長崎市内所在の肺アスペルギルス症患者の一戸建住宅の室内浮遊真菌調査を行った。浮遊真菌の採取は, エアーサンプラー(SAS SUPER 100, PBI)を使って1Fの居間と2Fの寝室で実施した。DG-18平板培地を使い, 各部屋とも10ヵ所の採取(100L吸引)を行った。この結果, 浮遊真菌濃度の平均値は, 居間では634±100.6CFU/m3, 寝室では1220±1853.9CFU/m3であった。分離された真菌を同定した結果, 居間ではCladosporiumとMycelia steriliaの両者が約70%を占めた。寝室では約70%がAspergillusであった。また, Aspergillusは, 肺アスペルギルス症の原因菌であるA. fumigatusが100%近い割合を占めた。居住者は, 日常的にA. fumigatusを吸入していることが示唆された。
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