小児の健康リスクの評価・管理の目安となるハウスダスト中微量元素類の濃度を推定する試みを行った。12種の微量元素(V, Cr, Mn, Ni, 無機As, Se, Sr, Mo, Ag, Cd, Sb, Ba)それぞれについて,耐容一日摂取量から,文献値をもとに推定した食物および飲料水と土壌それぞれからの上限摂取量(95パーセンタイル値あるいは最大値)を差し引いた値を,US EPAのデフォルト上限ダスト摂食量(100 mg/日)で除した濃度を「許容上限濃度」として求めた。 無機As, Se, Mo, Cdは食物および飲料水からの摂取量の上限値が既に耐容一日摂取量を超過していたために「許容上限濃度」を求めることができなかった。算出可能だった「許容上限濃度」は,V (9.4×10
2 µg/g 以下単位同じ), Cr (4.5×10
3), Mn (1.9×10
2), Ni (1.6×10
3), Sr (6.8×10
4), Ag (9.0×10
2), Sb (50), Ba (3.1×10
4) であった。これらと日本家屋のハウスダスト中実測濃度の95パーセンタイル値と比較すると,Mnのみが「許容上限濃度」を超過し,またSbとNiの95パーセンタイル値が「許容上限濃度」の1/10を超えていたために,これらの微量元素のハウスダスト中濃度に注意を払う対象であることが示唆された。
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