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(1) 主要病害の発生パターン
山下 亨, 小池 隆雄, 岡沢 政英, 湯本 純, 三田 毅, 坂下 広, 小林 智代, 有賀 則夫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
177-179
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
長野県内のゴルフ場のグリーンキーパーを対象に, 芝草病害の平年の発生時期, 発生程度等について, アンケート調査を行った。その結果, 発生率の高い病害としてはブラウンパッチ, フェアリーリング, 葉枯病, 雪腐病が, 防除上重要な病害としてはブラウンパッチ, 雪腐病, ピシウムブライトが挙げられた。また, 雪腐病を除くほとんどの病害は, 低標高で発生が多くなる傾向が見られた。また, 各病害を平年の発生推移で類別すると概そ4型に分けられた。
主要病害であるブラウンパッチについて, 接種後の発病進展を標高の異なるゴルフ場で調査した結果, 低標高ほど発生程度が高く, 進展も遅くまで続いた。
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矢島 義美, 三陰 外茂治, 関口 幹夫, 佐藤 昭夫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
181-182
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
1987年に上市されたシクロサールU粒剤2
®の省力散布法を目的とし, 同粒剤を水溶性のポリビニルアルコールフィルムで包装したシクロパック粒剤を開発した。イネミズゾウムシの防除に150g包装のシクロパック粒剤を10a当たり10個等間隔に投入した結果, 成虫及び幼虫に対して従来の粒剤均一散布と同等の高い密度抑制効果が認められた。
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高橋 章夫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
183-184
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
イチモンジセセリの成虫の飛来推移を, 従来の訪花虫数の調査にかえて, 黄色粘着トラップで調査する方法を検討した。トラップ (大きさ30×20cm) は水田の比較的内部に, 稲の草冠部に水平に設置し, 誘殺数を5日毎に調査したが, 誘殺のピークとなる7月下旬から8月初めにかけては, 2~3日毎に計数した。この方法により, 簡便に, しかも水田において飛来推移を調査することができると判断された。
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中島 久仁夫, 小森 隆太郎
1992 年 1992 巻 39 号 p.
185-186
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
1991年, 茨城県の東南部海岸地帯の陸稲でセジロウンカの多発生が認められた。水稲, 陸稲について生息密度の推移を調査したところ, 陸稲では, 7月中旬に高密度のセジロウンカ成虫の発生が認められ, また, 中・老齢虫の生息を確認した。同時期陸稲近辺の水稲での発生は陸稲より少なく, 最盛期の生息密度も低かった。
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渡辺 守
1992 年 1992 巻 39 号 p.
187-189
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
複数の病害虫が発生した場合の要防除水準設定の資料とするため, 1989年から1991年まで複数病害虫による複合的な被害の解析を行った。
単独の病害虫による被害として, ツマグロヨコバイが収量と屑玄米率に, 黄萎病が収量に, いもち病と紋枯病が屑玄米率に対して影響を及ぼした事例が見られた。また, いもち病と紋枯病の組合せでは, 被害が相乗的に大きくなった例が認められた。
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神田 健一, 古賀 博則, 平井 剛夫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
191-192
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
北海道の牧草地から採取したメドウフェスクにはエンドファイトに感染した個体と非感染個体があり, 前者はムギクビレアブラムシの摂食を忌避させ, 耐虫性が認められた。トールフェスクとペレニアルライグラスのエンドファイト感染品種はムギクビレアブラムシに耐虫性を示さなかった。
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菊地 淳志, 持田 作
1992 年 1992 巻 39 号 p.
193-195
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
Abundance of
Medythia nigrobilineata (Motschulsky) was surveyed in soybean fields at Nat'l. Agric. Res. Center in Tsukuba in 1980 and 1987-91. Four peaks of adult appearance were observed; overwintered adults in early June, the first generation adults in mid-July, second from August to early September, and third in late September to early October. Fifteen to sixty adults were found under the leaves per 0.7m×7m of the ground in October 1989. The adult populations fluctuated considerably year by year.
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松井 武彦, 上田 康郎
1992 年 1992 巻 39 号 p.
197-198
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
Sweet potato was cultivated on the same field for eight consecutive years form 1983 through 1991. Damage index of sweet potatoes by wire worms increased from 29 to 50%, while that by white grubs decreased from 12 to 2.5%. Correlation coefficient between the two damage indices was low; r
2=0.3. White grub population was affected by wire worms'predation in wheat pots experiments at Ibaraki Pref. Agric Expt. Sta.
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小澤 朗人, 佐藤 允通, 増田 壽彦
1992 年 1992 巻 39 号 p.
199-200
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
The status of parasitism oils of parasites on the sweetpotato whitefly,
Bemisia tabaci GENNADIUS, was investigated in sweetpotato fields of Shizuoka chuuen area in Japan. An indigenous parasitoid,
Encarsia transvena (TINBERLAKE), was found only.
The percentage parasitism obtained in different fields fluctuated widely from 0 to 23.7%, suggesting that this difference in the percentage parasitism was caused by the difference in intensity of chemical control in each field.
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伊賀 幹夫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
201-202
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
コナガの多発を抑圧する1つの要因として, 幼虫寄生性のヒメバチ科の1種を台湾から導入し, 増殖を図った。寄生時のコナガ幼虫の日齢と寄生蜂の雌雄の羽化割合を調べた結果, 産卵日から7日目に寄生させた時, 最も多く雌が得られた。本種の増殖率は世代当たり6倍程度で, 羽化初期の交尾だけで生涯雌を産み続けることが明らかになった。
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土屋 重文, 市川 和規, 小野 光明
1992 年 1992 巻 39 号 p.
203-204
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
山梨県の夏秋キャベツの主要産地である富士北麓地域は冬期の温度条件からみてコナガの越冬限界地域である。本試験を行った1990年度と1991年度には冬期間もキャベツ残存株で卵~成虫の各虫態の生息が認められた。両年度を含む過去6年間の温度条件は本虫の越冬限界を明らかに上回っていた。当地域では本虫の発生は増加傾向にあるが, 近年における暖冬がその一因と思われる。
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小山 健二, 松井 正春
1992 年 1992 巻 39 号 p.
205-208
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
ミナミキイロアザミウマの雌成虫に6種類の糖水溶液を摂食させた。スクロース水溶液上で5-50%, グルコースで1-40%, フラクトースで3-25%, マルトースで5-30%, ラフィノースで15-30%, トレハロースで10-30%の範囲で15日間以上生存した個体があった。
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西東 力
1992 年 1992 巻 39 号 p.
209-210
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
A mycoinsecticidal preparation of
Verticillium lecanii, MicroGermin A & F
® was applied four-times weekly against
Thrips palmi and
Bemisia tabaci on melons in glasshouses. Number of each insect was maintained at low levels in treated glasshouses but increased extremely in an untreated glasshouse.
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松井 正春, Juana F. Servian de Cardozo
1992 年 1992 巻 39 号 p.
211-213
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
Effective granular insecticides against the sweetpotato whitefly by soil application were searched. The incorporation of 1-2g imidacloprid (1%) and 1-2g nitenpyram (1%) which name is now applied to ISO per tomato and/or eggplant were very effective for controlling the whitefly. Soil application of 1g nitenpyram reduced the number of the adults of the sweetpotato whitefly too.
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河名 利幸, 福田 寛
1992 年 1992 巻 39 号 p.
215-218
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
タバココナジラミに対する各種薬剤の効果の検討の結果, 殺卵効果はイミダクロプリド水和剤が高かった。孵化幼虫及び老齢幼虫に対してはピリダフェンチオン乳剤, ピリダベンフロアブル, マシン油乳剤 (97%), ピリミホスメチル乳剤の効果が高かった。
フェンプロパトリン水和剤とアセフェート水和剤は単用では殺幼虫効果は低かったが, 混用により協力作用が認められ防除効果の増加があった。
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無害虫苗生産のための, 臭化メチルの苗くん蒸によるハダニとアブラムシの除去
根本 久
1992 年 1992 巻 39 号 p.
219-220
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
イチゴの施設栽培における害虫管理を目的に, 害虫のついていない苗の生産技術について検討した。親株の臭化メチル40g/m
3の2時間処理により, ハダニとアブラムシを同時に防除する事ができ, 苗の生産システムの中に取り入れることが可能と考えられた。
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チリカブリダニによるハダニの防除
根本 久
1992 年 1992 巻 39 号 p.
221-222
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
施設におけるハダニの害虫管理を目的に, チリカブリダニを用いた生物的防除法について検討した。ハダニ個体群の低密度時の1個体/株放飼ではハダニ密度の減少効果は認められず, ハダニ個体群密度上昇時の4個体/株放飼後に個体群密度の減少が認められた。
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小澤 朗人, 佐藤 允通, 井上 義浩, 望月 淳雄, 尾崎 丞
1992 年 1992 巻 39 号 p.
223-225
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
施設イチゴにおいてフェンプロパトリン乳剤のミツバチに対する影響を調べた。薬剤散布3日後~5日後にミツバチを再導入してその行動と奇形果の発生を調査した結果, 薬剤散布4日後まではミツバチの訪花時間, 訪花虫数などに薬剤の影響が認められたが, 奇形果の発生は再導入までの期間が長いほど多くなり, 散布3日後でも奇形果の発生を助長するほどの訪花阻害作用はなかった。
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小林 久俊, 古木 孝典, 石上 茂
1992 年 1992 巻 39 号 p.
227-232
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
静岡県西部地域におけるマメハモグリバエの発生状況を90~91年に調査した。5月は施設栽培のガーベラ, ミニトマト, キクなどで発生が多く, 露地では少なかった。7月には露地の自家用野菜で発生が極めて多くなった。10月にはセルリーや秋播きのアブラナ科野菜, ジャガイモなどで広く発生がみられた。
成虫の発生消長は露地キクで7月にピークとなる一山型を示し, 8月には成虫発生量, 被害とも減少した。
施設のガーベラでは6~10月の間, 成虫, 被害とも連続して発生した。黄色粘着トラップヘの誘殺虫はキクでは雄が雌より多かったが, ガーベラではほぼ同程度であった。
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大石 剛裕, 鈴木 正紀, 原川 勝好, 神谷 義之, 池田 二三高, 西東 力
1992 年 1992 巻 39 号 p.
233-235
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
イソキサチオン乳剤, チオシクラム水和剤, カルタップ水溶剤, フルフェノクスロン乳剤及びアセフェート水和剤のマメハモグリバエに対する防除効果を, ガーベラ, セルリー及びトマト栽培ほ場で調べた。いずれの剤にも実用性が認められた。
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栄森 弘己, 田中 邦雄, 伊賀 幹夫, 竹内 純
1992 年 1992 巻 39 号 p.
237-239
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
1991年伊豆諸島の大島及び神津島のガーベラ栽培施設でマメハモグリバエが多発した。その突然の発生原因は, 島外から導入されたガーベラ苗の一部に本種が寄生していたためと推察された。数種粒剤の防除効果を調べた結果では, ベンフラカルブとエチルチオメトンが有効であった。
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阿久津 四良
1992 年 1992 巻 39 号 p.
241-244
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
ドウガネブイブイ精子の先体形成は, 精細胞嚢期から精子束形成前期に始まり, 精子頭部の伸張が終わる精子束形成後期にほぼ完了する。精子の尾部形成は頭部形成よりも先行し, 次の2段階の過程を経て行われる。すなわち軸糸の伸張による中片部と主片部形成, これに引き続く, 副核の中片部内の下降と, 副核からミトコンドリア鞘への変形である。尾部の伸張はほぼ精子束形成前期に完了する。精子の頭部形成は, 核の伸張と, 核質の濃縮化により進行する。
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南島 誠, 笹脇 彰徳, 有賀 則夫, 小林 智代
1992 年 1992 巻 39 号 p.
245-247
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
リンゴのハダニ類の基幹防除剤として長野県で1986年より使用されてきたヘキシチアゾクス水和剤 (ニッソラン水和剤) の防除効果を, '91年にリンゴハダニで, '92年にナミハダニで検討した。リンゴハダニでは, 殺卵力と防除効果の低下が認められた。ナミハダニについては感受性個体群と一般ほ場から採集した個体群に対する殺卵力を比較したところ, 一般ほ場の個体群で明きらかな感受性の低下が確認された。
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古橋 嘉一, 外側 正之, 片山 晴喜, 増井 伸一
1992 年 1992 巻 39 号 p.
249-252
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
カンキツ類の重要な病害虫の黒点病とチャノキイロアザミウマ防除と流通過程における選果場と消費者の評価について明らかにした。選果場での評価は病害虫の被害が高くなるにつれて評価点は下がり, 価格に大きく影響した。消費者の病害虫防除の異なる果実に対する選好性は被害の少ないきれいな果実を選択する傾向が認められた。これらの結果から外観損傷病害虫 (コスメティック ペスト) の防除は高付加価値の果実を生産するうえで重要であることが明らかとなった。
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福田 寛
1992 年 1992 巻 39 号 p.
253-255
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
イチジクを加害するキボシカミキリの防除対策として, 天敵糸状菌
Beauveria brongniartii を用いた成虫の防除, 春期萌芽前の殺虫剤樹幹散布による卵, 幼虫の防除効果を検討した。網室内で
B. brongniartii は高い感染率を示したが野外圃場では15%程度の感染率にとどまった。DMTP乳剤の春季萌芽前散布は, 樹皮下の本種越冬卵, 幼虫に対して高い防除効果を示した。
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伊村 務
1992 年 1992 巻 39 号 p.
257-258
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
チビクロバネキノコバエ幼虫の加害によってリンドウ及びトルコギキョウのプラグ苗の葉に被害が発生した。被害は培土に接している下位葉で発生し, 上位葉には見られなかった。被害ほ場は噴霧潅水によって常に多湿状態となっていた。
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塩澤 宏康, 土崎 常男
1992 年 1992 巻 39 号 p.
259-260
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
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本林 隆, 沼沢 健一, 遠藤 佳成
1992 年 1992 巻 39 号 p.
261-262
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
越冬前の幼虫に対しては高い防除効果が得られた八丈島のクワゴマダラヒトリNPV散布地域において, 越冬後幼虫の密度が無散布地域と同レベルもしくは高くなる現象が認められた。そこで, その原因を明らかにするため, NPVの散布回数を増加したり, 春先の幼虫の移入が起こりにくい地域で散布試験を行った。その結果, 越冬前の調査では, NPVの1回の散布によって幼虫密度は無散布区の約1/150の0.1頭/m
2に低下し, 2回の散布と同等の防除効果が得られたが, 春先の越冬後幼虫の密度は0.6頭/m
2と増加した。一方, 幼虫の移入が起こりにくい隔離散布区では, 越冬前, 後とも幼虫密度は0頭/m
2であった。このことから, NPV散布地域で, 越冬後の幼虫密度が越冬前に比べ増加するのは, 越冬後の幼虫の分散に伴う散布地域周囲からの移入によるものと考えられた。
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鈴木 茂利, 小林 久俊
1992 年 1992 巻 39 号 p.
263-264
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
静岡県の中部, 西部地域におけるチャのカンザワハダニおよびケナガカブリダニの発生実態調査を実施した。カンザワハダニは4月下半期から, ケナガカブリダニは5月下半期から発生が認められ, 5~6月に発生のピークを迎えた。ケナガカブリダニはカンザワハダニの発生のピークから15~30日後にピークとなる場合が多かった。合成ピレスロイド剤を散布した場合のカンザワハダニのリサージェンスは確認されなかった。
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小澤 朗人, 山本 重幸
1992 年 1992 巻 39 号 p.
265-266
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
3種の殺ダニ剤に新規展着剤サットカット
® (成分名: アルキルトリメチルアンモニウム=クロリド) を加え, 茶のカンザワハダニ卵に対する効果を調べた。ピラクロホス水和剤とBPPS乳剤では本展着剤を加用した場合, 無加用に比べ殺卵率が向上した。
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吉沢 栄治, 桑澤 久仁厚
1992 年 1992 巻 39 号 p.
267-268
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
スジキリヨトウ幼虫に対する
Steinernema carpocapsae 感染態3期幼虫の感染力を濾紙法で検定した。その結果, 感染力は高く, 供試虫と線虫の接触容器に用いたシャーレ (内径8.5cm) 当たりの線虫数が250頭以上で十分な感染死亡が認められた。感染適温は18~25℃で, 30分間の接触でも感染が成立した。圃場散布室内接種試験でも感染力は高く, 実用化が期待される。
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多々良 明夫
1992 年 1992 巻 39 号 p.
269-270
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
スジキリヨトウの産卵数を実験室内において20℃, 26℃, 31℃の3つの温度段階で調査した。産卵に好適な温度は26℃前後と考えられる。26℃では1雌あたりの平均総産卵数が1030卵と最も多く, 個体間のばらつきも少なかった。最も多い産卵数は1161卵だった。26℃, 31℃では産卵開始後2~3日で総産卵数の60%を産卵し, 雌成虫の寿命は26℃で平均12.5日であった。
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平井 洋
1992 年 1992 巻 39 号 p.
271-276
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
合成性フェロモン剤を用いた芝地でのヒメコガネの発生調査手法について総合的に検討した。
1. 広く市販されているトラップの中では湿式と乾式の捕獲効率が高く, 両者の性能はほぼ同等であった。
2. ヒメコガネはトラップの色によって影響を受けることはなかった。調査対象外のコガネムシ類が多数捕獲される場合は, 緑色または黒色のトラップを使用することで改善されると考えられた。
3. 地上1mの高さで捕獲効率が最も高く, 2mがそれに次いだ。
4. 誘引源のフェロモン放出能力は, 合成性フェロモン25mgを封入したコード状ディスペンサーと同等程度が適当と考えられた。
5. ヒメコガネは, 近接して設置したマメコガネのフェロモンの影響を受けた。
6. フェロモントラップによる捕獲消長はライトトラップとほぼ一致した。
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平井 洋, 廣田 龍司
1992 年 1992 巻 39 号 p.
277-279
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
芳香誘引剤コガネコールA
®及びコガネコールC
®を白色トラップと組み合わせて芝地におけるコガネムシ類の誘引状況を調査したところ, コガネコールA
®にはマメコガネ, コアオハナムグリ, セマダラコガネ, シロテンハナムグリが誘引され, コガネコールC
®にはコアオハナムグリとシロテンハナムグリが誘引された。また, セマダラコガネ, コアオハナムグリ, マメコガネの捕獲消長はライトトラップの捕獲消長や訪花消長などと一致した。したがって, セマダラコガネ, コアオハナムグリ, マメコガネの芝地における発生予察調査手法としてこれらの芳香誘引剤を用いた捕獲調査は有効と考えられた。
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廣田 龍司
1992 年 1992 巻 39 号 p.
281-283
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
6月下旬頃のマメコガネの発生最盛期では, マメコガネがサクラなど摂食するために活発に飛び回っていることから, 樹木の下部となる地上1~2mの高さにニトルアー
®を設置するよりも, 芝地に近接するマウンド (高台) など, 餌木となるサクラなどの樹木の高さにトラップを設置する方がマメコガネをより効率的に誘引できるものと考えられた。
また, 設置する樹種についてはケヤキやマツでは, 樹木によるマメコガネの誘引の影響は認められなかったが, サクラなど餌となる樹種ではマメコガネの誘引数が減るばかりか, 樹木自体が食害されるため, ニトルアー
®の設置は避けるほうがよいと考えられた。
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桑澤 久仁厚
1992 年 1992 巻 39 号 p.
285-287
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
長野県内ゴルフ場における芝害虫の発生状況をアンケートにより調査した。主要種はスジキリヨトウ, コガネムシ類, シバツトガ及びタマナヤガの4種で, 特にスジキリヨトウとコガネムシ類が重要と考えられた。コガネムシ類の種類別ではマメコガネ, ウスチャコガネ, ヒメコガネ, ドウガネブイブイ及びヒメアシナガコガネの5種が優先種と考えられた。
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上田 康郎, 笠井 良雄, 窪田 満, 米山 伸吾
1992 年 1992 巻 39 号 p.
289-291
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
ダイズシストセンチュウ汚染圃場に同線虫抵抗性が異なるダイズ品種を栽培した結果, 抵抗性品種の栽培跡地では感受性品種と比較して土壌中のシスト密度が顕著に少なくなった。高度抵抗性品種の東山93号の栽培跡地ではシスト密度が栽培前の1/2に低減したが, 1作後の栽培跡地に感受性品種を栽培し得るまでの密度低減効果は得られなかった。
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江村 薫, 植竹 恒夫, 藤田 耕朗
1992 年 1992 巻 39 号 p.
293-296
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
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ダイズシストセンチュウ汚染圃場のダイズ栽培に対する, 窒素の追肥効果を検討した。感受性品種の「エンレイ」では, 明らかな追肥効果が見られた。10a当たり追肥窒素3kg区に比較して, 同7kg区は, 生育収量と100粒重で優った。いずれの施肥区とも, シスト密度の高い土壌ほど子実量の減少する傾向が見られた。
ダイズシストセンチュウ抵抗性品種の「東山93号」では, シスト密度と生育収量との関係が認められず, 追肥によりわずかな増収が見られた。
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奈良部 孝, 百田 洋二
1992 年 1992 巻 39 号 p.
297-299
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
山梨, 静岡, 長野各県の線虫抵抗性トマト品種寄生のネコブセンチュウをサツマイモネコブセンチュウの抵抗性打破系統と判定した。普通 (非打破) 系統のネコブセンチュウを高温 (30℃) 条件下で抵抗性トマトに接種し, 寄生・産卵できる個体群を選抜した。その後, 更に常温 (25℃) で6世代を重ね, 明らかな寄生率の上昇を認め, 抵抗性打破系統の発現の1過程を実験的に例証した。
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平野 寿一, 竹内 純, 大川 篤, 堀江 博道
1992 年 1992 巻 39 号 p.
301-302
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
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キュウリのネコブセンチュウに対する数種殺線虫粒剤の効果を検討した結果, ホスチアゼート1.0%粒剤の30kg/10a土壌混和は最も高い防除効果を示した。本剤は簡便に施用でき, また人畜毒性区分が普通物であることから実用性のある有効薬剤と考えられた。
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川崎 智子, 皆川 望
1992 年 1992 巻 39 号 p.
303-304
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
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県内の26の野菜畑の線虫を調査した結果, ネグサレセンチュウ (2圃場), ネコブセンチュウ (5圃場), アフェレンクス, アフェレンコイデス等の植物寄生種が検出された。検出されたネグサレセンチュウは, ミナミネグサレセンチュウ及びキタネグサレセンチュウであり, ネコブセンチュウは, キタネコブセンチュウ, サツマイモネコブセンチュウ及びジャワネコブセンチュウであった。複数種・属の混発圃場も確認された。
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浅利 覚, 奈良部 孝, 百田 洋二, 大島 康臣
1992 年 1992 巻 39 号 p.
305-306
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
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1990年10月, 山梨県内のキウイ圃場37地点を調査し, 30地点よりネコブセンチュウを検出した。同定を行ったところジャワネコブセンチュウが優占し, キタネコブセンチュウがこれに次ぎ, サツマイモネコブセンチュウは1地点にとどまった。同定にはアイソザイムパターンの比較が適切な手法であった。
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豊嶋 悟郎, 湯本 純, 小林 荘一, 中澤 斎, 大島 誠, 平谷 敏彦, 真砂 美佐, 楢原 勝行
1992 年 1992 巻 39 号 p.
307-308
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
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高沼 重義
1992 年 1992 巻 39 号 p.
309-310
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
フリー
クロロファシノン0.025%粒剤は野そに対して忌避性があるため, 十分な殺そ効果が得られていない。そこで, 成分量を0.01%に減下した粒剤を試験したところ, 0.025%粒剤にまさる高い殺そ効果が認められた。
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近藤 和子, 矢口 直輝
1992 年 1992 巻 39 号 p.
311-313
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
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Concentrations of four popular pestisides; buprofezin, fenobucarb (BPMC), fthalide, and pyridaphenthion, in the air were measured at two locations in Nagano prefecture for three days after aerial application in August 1991. Fenobucarb was detected for three days, whereas the others were done only for one day. The maximum values of the concentrations of buprofezin, fenobucarb, fthalide, and pyridaphenthion were 2, 5, 10, and 0.2mg/m
3, which are equivalent to 1/500, 1/830, 1/3000, 1/120 of each threshold concentration for safety proposed by the Japanese Society of Industrial Hygiene (1989, 1990), respectively.
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1992 年 1992 巻 39 号 p.
315-319
発行日: 1992/11/01
公開日: 2010/03/12
ジャーナル
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