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クエリ検索: "カンブリア爆発"
73件中 1-20の結果を表示しています
  • 北川 博一, 眞舩 常雄, 佐藤 嘉之, 畑本 浩伸, 宮﨑 安弘
    AI・データサイエンス論文集
    2022年 3 巻 J2 号 112-116
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/12
    ジャーナル オープンアクセス

    屋外環境でもリアルタイムで正確に動作できるAI画像解析システムを開発し,現場実証を行った.人物検知用AIの信頼性を向上させるため,教師学習として現場での膨大な収集画像データをAIに与えている.その結果,リアルタイムで正確に人・車両を識別し接触事故防止が可能なAIの有効性を確認できた.シンプルな構成であるため,AIの判定結果をトリガーとして発報することで様々な機器を組合わせたシステムの拡張が可能となる.多種多様な建設現場の環境シーンに合わせて柔軟に機器を組み合わせることで,業務の効率化・生産性向上の可能性を広げることができた.

  • *江﨑 洋一, 足立 奈津子, 劉 建波
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2021年 2021 巻 R10-O-2
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/05/31
    会議録・要旨集 フリー

    カンブリア爆発
    ”とオルドビス紀生物大放散(Great Ordovician Biodiversification Event: GOBE)は共に古生代前半に見られる生物の“放散現象”として知られている.前者は高次分類群での多様性で,後者は低次分類群での多様化で表現される場合が多い.相当する期間は,前者では前期から中期カンブリア紀であるのに対し,後者ではオルドビス紀全般に渡る.従って,両放散現象の関係を知るには後期カンブリア紀における生物相の情報が鍵になる.本発表では,北中国山東省に広く分布する炒米店層(芙蓉世[排碧期,江山期,第十期])の微生物岩の特性に注目する.

     微生物岩は炒米店層のとくに下部から中部にかけて発達し,典型的な「柱状・ドーム状ストロマトライト」の他に,「複雑に分岐する形状を示すストロマトライト(“maceriate microbialite”)」や「ドーム状スロンボライト」で特徴付けられる.微生物岩は巨視的には数十cmから数m規模のバイオハームやバイオストロームを形成する.微生物岩の本体部はしばしば強くドロマイト化作用を被っている.ストロマトライトのコラム部は,ミクライト部と骨針を欠くメッシュ状・バーミフォーム状の海綿組織部の互層,石灰質微生物のGirvanellaやミクライト質のクロッツから構成される.微生物岩の本体部間は,ミクライト,ペロイド状粒子,三葉虫の生砕片などで充填される.炒米店層では石灰質扁平礫岩が頻繁に認められるが,微生物岩が石灰質扁平礫岩を基盤として,その直上に形成される場合もある.炒米店層よりも下位の張夏層(後期鳥溜期〜前期古丈期)の微生物岩は,石灰質微生物であるEpiphytonが走光性を示しながら集合し,スロンボライトを形成する場合が多い.局所的に,骨針を有し外形が明瞭なanthaspidellid lithistid海綿(Rankenella)やカンブリア紀サンゴ類(Cambroctoconus)が豊富に産出する.部分的に形成されているストロマトライト中では,炒米店層と同様にミクライト部と海綿組織部が認められる.

     排碧期にはSteptoean positive carbon isotope excursion (SPICE)事変で代表される顕生累代の中でも最大規模の海洋無酸素事変が生じ,それに伴い大気中の酸素濃度が飛躍的に高くなっている.また,プランクトンの劇的な多様化(Plankton Revolution)が起きている(Saltzman et al., 2011).芙蓉世では無酸素および硫化(euxinic)条件の海洋環境が支配的であり(Gill et al., 2011),大型の造礁骨格生物がきわめて乏しい.現生海綿類の本体中には多種多様な微生物類が宿っており,海綿のみを対象にしてその生理的・代謝的な特性を議論することは困難である.カンブリア紀においても共存していた微生物類の活動による海綿本体の選択的な溶解や分解作用が,微生物岩を構成するミクライト,ペロイド状粒子,クロッツなどの生成と深く関与した可能性がある.その場合,ストロマトライト中のラミナ状組織の形成も「海綿と微生物類との共同体内での相互作用」の観点から調べていく必要がある.炒米店層の生物相は,還元環境下でも生息できる微生物類や骨格生物との関係から,張夏層とは別というよりも張夏層からの“生き残り”とも考えられる.炒米店層の生物相を“

    カンブリア爆発
    ”による生物相の絶滅事変による結果と捉えるのか,GOBEの始まりと考えるのかは,今後,カンブリア紀からオルドビス紀にかけての生物相の放散現象の実態を考えていく際の鍵となる.

    引用文献

    Gill et al. (2011) Geochemical evidence for widespread euxinia in the later Cambrian ocean. Nature, 469, 80-83.

    Saltzman et al. (2011) Pulse of atmospheric oxygen during the late Cambrian. PNAS, 108, 10, 3876-3881.

  • *佐藤 友彦, 磯崎 行雄, 張 興亮
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2014年 2014 巻 R23-O-15
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/16
    会議録・要旨集 フリー
  • 本多 清之, 亀岡 秋男
    年次大会講演要旨集
    2005年 20.1 巻 1J01
    発行日: 2005/10/22
    公開日: 2018/01/30
    会議録・要旨集 フリー
  • *Oji Tatsuo, Dornbos Stephen, Yada Keigo, Gonchigdorj Sersmaa, Hasegawa Hitoshi, Mochizuki Takafumi, Takayanagi Hideko, Iryu Yasufumi
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2015年 2015 巻 S2-O-5
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/31
    会議録・要旨集 フリー
  • 野中 正己, 古内 亮, 今井 栄一, 本多 元, 羽鳥 晋由, 松野 孝一郎
    生物物理
    2002年 42 巻 supplement2 号 S139-
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
  • 櫻沢 繁, 野村 M.慎一郎
    生物物理
    2002年 42 巻 supplement2 号 S139-
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
  • 荻島 創一, 田中 博
    生物物理
    2002年 42 巻 supplement2 号 S139-
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
  • 相田 拓洋, 太田 元規, 伏見 譲
    生物物理
    2002年 42 巻 supplement2 号 S139-
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
  • 朝倉書店,2009年
    山口 寿之
    地学雑誌
    2010年 119 巻 1 号 178-180
    発行日: 2010/02/15
    公開日: 2010/05/21
    ジャーナル フリー
  • 中島 定彦
    行動分析学研究
    2023年 37 巻 2 号 235-247
    発行日: 2023/04/20
    公開日: 2024/04/20
    ジャーナル フリー

    行動分析学や学習心理学の教科書でレスポンデント条件づけやオペラント条件づけの基礎について解説される際は、ヒト・サル・イヌ・ネコ・ラット・ハトなどの脊椎動物の実験がしばしば紹介される。しかし、脊椎動物だけでなく、無脊椎動物でも条件づけは生じる。節足動物・環形動物・軟体動物・扁形動物では、条件づけが容易に確認できる。棘皮動物でも、少なくともヒトデは条件づけ可能だと思われる。単細胞生物や海綿動物、刺胞動物では条件づけを確実に示す報告はない。条件づけという学習能力は古生代の始まりであるカンブリア紀に生じ、それが

    カンブリア爆発
    の契機の一つとする学説があるが、先カンブリア時代エディアカラ紀に生息していた動物も条件づけによる学習が可能だったのではないだろうか。また、さまざまな動物種にみられる条件づけ能力は、進化の過程で独立に獲得されたのかもしれないが、筆者は共通の祖先種から今日まで引き継がれたものだと考えたい。この場合、条件づけ能力は約6億年(正確には5億5500万年)から受け継がれたものだということになる。

  • *東郷 徹宏, 狩野 彰宏
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2007年 2007 巻 O-87
    発行日: 2007年
    公開日: 2009/01/30
    会議録・要旨集 フリー
  • *菊池 みのり, 海保 邦夫, 大庭 雅寛
    日本地球化学会年会要旨集
    2010年 57 巻 1C08 07-01
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/08/30
    会議録・要旨集 フリー
    <はじめに>
    カンブリア紀は生命の歴史において非常に重要な時代である。この時代、現在見られる動物門の殆どが出現した事が知られている。しかし、このような急激とも思える生物の進化が何によって引き起こされたかは、未だに議論が続いている。この時代について中国やオーストラリアなどで地質学的、地球化学的研究は行われているが、有機地球化学的な解析はまだ殆ど行われていない。
    <手法>
    今回私は、南中国雲南省昆明市梅樹村セクションの先カンブリア時代とカンブリア紀の境界(以下PC/C境界)近傍の海洋堆積物サンプルを用いて有機分析(主にバイオマーカー分析)を行い、この時代の環境変動の解析を行った。
    岩相:プレカンブリア系上部は主としてドロマイト、カンブリア系下部はほぼ黒色頁岩
    手法:各堆積物100gに対し(サンプルが少ないものについては50g)、ソックスレー抽出により有機溶媒に可溶なビチュメンを抽出し、シリカゲルクロマトグラフィで分画を行う。このうち、炭化水素画分と芳香族画分をGC/MSにより分析した。
    <結果・考察>
    PC/C境界下部のドロマイト層では、原核生物由来のホパン類が割合的に多く見い出されるのに対し、境界より上の層準では真核生物由来のバイオマーカーであるステラン類がより多くみられるようになる。これらの逆転の時期はちょうどPC/C境界直後であり、数回の逆転を経て、ステランが優勢の時代へと移行していく。これらの有機物の存在は、当時のバイオマスの推定に役立つため、PC/C境界における、
    カンブリア爆発
    へとつながる生態バランスの変動を復元できるかもしれない。
    また、この時期の海洋環境について、酸化還元指標であるプリスタン・ファイタン比、アリルイソプレノイド、そしてジベンゾチオフェン類を同定し、解析を行った。アリルイソプレノイドは絶対嫌気環境下でのみ生育する緑色硫黄細菌固有のバイオマーカーで、海洋有光域の還元指標となる。また、ジベンゾチオフェンは堆積場の還元環境を示唆する。
    その結果、アリルイソプレノイドでPC/C境界近傍で通常より2桁以上大きなピークを示し、短期間に増減を繰り返した後に黒色頁岩中で低い値へと戻る様子が見られた。これはカンブリア系下部の黒色頁岩中で還元環境を示す指標が得られたという先行研究の結果を支持せず、今後の考察が課題となる。この間隔の狭いピークは、ステラン/ホパン比の変動時期とタイミングが一致し、その変動が逆相関を示すことより、海洋の還元環境とホパン・ステランの増減には密接な関係があると考えられる。
    今後はより高解像度のデータを用い、詳細な環境変動を検討していく。
  • *江﨑 洋一, 足立 奈津子, 劉 建波
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2022年 2022 巻 T11-O-27
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/03
    会議録・要旨集 フリー

    カンブリア紀後期の芙蓉世(Furongian)は“

    カンブリア爆発
    ”とオルドビス紀の生物大放散(GOBE)に挟まれ,生物の多様性が見かけ上低い時期に相当する.その初期段階(排碧期)には,有機炭素の埋没率の増加や無酸素水塊の発達に起因するSPICE事変(炭素同位体比の正の偏位)が生じている.本発表では,北中国のカンブリア系上部で形成され微生物岩に酷似する岩石の特性を紹介する.

     北中国の山東省には,炒米店層で代表される芙蓉統(排碧階から第十階)の地層が広く分布している.下位のGushan層(古丈階)は,頁岩や石灰質扁平礫岩で特徴付けられるが,炒米店層の下部ではストロマトライトに酷似した堆積岩からなる礁が顕著である.石灰質扁平礫岩がそれらの礁の基盤になっている場合が多い.露頭やスラブレベルの観察では,典型的な柱状ストロマトライト様の堆積岩の他に,複雑に分岐する微生物岩様やドーム状ストロマトライト様・スロンボライト様の堆積岩が認められる.炒米店層の上部では三葉虫,棘皮動物,腕足類,頭足類の生砕片からなるグレインストンが発達する.ワッケストンでは生物擾乱作用が顕著である.ストロマトライト様の堆積岩のコラム部は選択的にドロマイト化作用を被っているが,ラミナ組織が識別される場合が多い.石灰質微生物類はまれで,わずかにGirvanellaが認められる.ストロマトライト様のコラム内や,コラム間で,骨針を欠くバーミフォーム状の海綿組織が主体の岩石(keratolite: Lee and Riding, 2021)が頻繁に認められる.海綿組織がコラム部をまたぐように側方に分布する場合もある.海綿本体の外形は不明瞭である.海綿組織の周辺でミクライトの集積やスパーセメントの充填を伴うことが多い.keratoliteは,石灰質微生物類(Epiphytonなど)や大型骨格生物(lithistid海綿:Rankenellaやサンゴ類:Cambroctoconus)が豊富な下位層の張夏層(鳥溜期後期〜古丈期前期)でも認められるが,そこでの産出頻度は高くない.

     従来,カンブリア系上部から下部オルドビス系には,“複雑に分岐するスロンボライト”(“maceriate thrombolite”)が汎世界的に分布すると考えられていた(Shapiro and Awramic, 2006).ごく最近,「keratose海綿–微生物コンソーシアム(keratose sponge–microbial consortium)」で,海綿と微生物類が協働し合い,純粋なストロマトライトに見かけ上類似したkeratoliteを形成することが報告されている(Lee and Riding, 2021).keratoliteは,低酸素環境が想定されるペルム紀末の大量絶滅層準直上の最下部トリアス系からも多産する(Wu et al., 2022).骨格生物礁の発達が抑制されていたと考えられていたカンブリア紀後期には,広域的にkeratoliteが形成されていた可能性が高い.keratoliteが卓越したのは,keratose海綿の耐性が強く,無酸素水塊の発達などの環境下でも当該の海綿は排他的に生存し得たことを示している.今後,海綿自体や海綿と共存する微生物類が,どのような相互作用を通じてストロマトライトに類似した堆積岩を形成するのかを明らかにしていく必要がある.

    [引用文献]

    ・Lee, J.H. and Riding, R. (2021) Keratolite–stromatolite consortia mimic domical and branched columnar stromatolites. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 571, 110288.

    ・Shapiro, R.A. and Awramik, S.M. (2006) Favosamaceria cooperi new group and form: A widely dispersed, time-restricted thrombolite. Journal of Paleontology, 80, 411-422.

    ・Wu, S., Chen, Z.Q., Su, C., Fang, Y., and Yang, H. (2022) Keratose sponge fabrics from the lowermost Triassic microbialites in South China: Geobiologic features and Phanerozoic evolution. Global and Planetary Change, 211, 103787.

  • 岡田 博有, 猪郷 久義
    地学雑誌
    2007年 116 巻 5 号 725-728
    発行日: 2007/10/25
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 森田 邦久
    科学基礎論研究
    2011年 39 巻 1 号 25-30
    発行日: 2011/11/25
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    This paper provides a new criterion to distinguish the genuine science from the pseudoscience. Morita (2008; 2009) discussed that there are two demarcation criteria between science and pseudo-science: experimental and theoretical. In this essay, I focus on the theoretical criterion. This criterion is an application of a new view of scientific explanation shown in Morita (2007; 2008 ch. 1). The point is that scientific explanation must unify the phenomena in question into common framework, and new elements which is added to model in order to deduce explicandum must be observable or be able to promote unification.
  • 矢島 道子
    化石
    2009年 86 巻 95-96
    発行日: 2009/10/16
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー
  • *小宮 剛
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2021年 2021 巻 T6-O-5
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/05/31
    会議録・要旨集 フリー

    日本地質学会では、2019年に日本鉱物科学会と共同で、大型研究マスタープラン2020に『地球惑星研究資料のアーカイブ化とキュレーションシステムの構築』というタイトルで、国内に地球惑星試料や資料を大規模かつ系統的に保管し、キュレーションをするシステムを構築することを申請しました。大型研究マスタープランとは、科学者コミュニティの代表としての日本学術会議が、各学術分野が必要とする学術的意義の高い大型研究計画を網羅・体系化することにより、学術の発展や学術の方向性に重要な役割を果たす我が国の大型研究計画のあり方について一定の指針を与えることを目的とするものです。 これまで、3年毎に見直しされてきており、2023年に見直しされる可能性があるので、学会では現在次期マスタープランに向けて準備を進めています。

     ところで、2020年に日本学術会議において「オープンサイエンスの深化と推進に向けて」と題した提言がされました。そこでは、「研究成果をもたらした第1次物質的試料の永久保存体制の構築やそれらの背景となった第0次試料の選択的保存について、基本方針を確立する必要性」が説かれております。このように、研究試料のアーカイブ化は今や早急に取り組むべき課題となっています。そこで、25期においても、大型研究計画の施設整備に地球惑星研究資料のアーカイブ化とキュレーションシステムを早急に構築することを申請する予定です。本発表では大型研究マスタープラン2020で申請した内容を紹介するとともに、現在進行形ではありますが、次期申請に向けた準備状況を報告し、みなさんのご意見を伺いたいと考えております。大型研究マスタープラン2020で申請した『地球惑星研究資料のアーカイブ化とキュレーションシステムの構築』の概要は以下の通りです。http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-24-t286-1.htmlでも見られますので、そちらもご確認ください。

     『日本で近代科学が産声をあげて150年、日本の研究者は公的な研究費を用いて国内外から多くの岩石・化石試料や隕石、地質・地形情報等(以下、地球惑星研究資料または資料)を集めてきた。しかし、博物学が重要な位置付けを占める欧米と異なり、日本では研究資料のキュレーション施設の整備が大きく立ち遅れている。そのため、学術的価値の高い資料や科学的遺産にあたる資料でさえ維持するのが難しい。加えて各国の土地開発や紛争及び試料の採取・持出制限によって、新たな外国産資料の確保がますます困難になりつつある。そこでキュレーションがますます重要となる。既存資料の保管による科学的貢献の例として、近年のアポロ試料の再分析による月の水の存在の新証拠の発見や

    カンブリア爆発
    の概念を創出したバージェス頁岩の研究等がある。どちらも30年以上、公的機関に保管された試料の研究から始まった。さらに、近年の急速な研究技術の進歩を考えると、現在不可能とされる化石の超微量分析、古代ゲノム、地震時に形成された断層岩の超微小領域解析も将来可能となろう。本計画は、現在分散保管されている資料のデジタル・オープンアクセス化とアーカイブ化、それらを網羅する統合データベースの構築、そうしたデジタルデータと実試料の保管・提供を統括する『地球惑星研究資料アーカイブセンター』の新設を提案する。その体系を早急に構築することで、短期には現在日本の地球科学において国際競争力のある岩石・化石試料を基盤とした研究分野を支え、長期では未来の研究者との共同研究として研究技術が高度に発達した30~100年後を見据えた科学の発展に寄与する。また、古地形や地盤データのオープンアクセス化、資源試料の提供及び研究資料の博物館、初等教育機関及びマスメディアへの貸出の一括管理は日本の産業、国土開発、領土管理、生涯学習及び初等教育にも貢献することが期待される。』 

     今後進めていく項目として、(1)本申請内容がより広範な科学者コミュニティから支持される内容であり、かつ多くの科学者が切望しているものであることを示すために、他の学会からの賛同を得ることを進めています。6月の時点では、日本鉱物科学会、地球環境史学会、日本堆積学会、日本地球化学会などから共同提案者や賛同者として、賛同を得ることができ、この取り組みは現在も続けられています。(2)地球惑星研究資料アーカイブセンター設立の準備委員会を立ち上げ、設立に向けた議論を関係する学会や機関の関係者と開始します。(3)日本学術会議地球惑星科学委員会地球・惑星圏分科会に学術資料共有化小委員会が設立されました。両委員会には共通の委員も多くいることから、それらの委員会を両輪として、本計画の準備を進めていきたいと考えています。

  • 大野 邦夫, *梶原 俊男
    画像電子学会年次大会予稿集
    2018年 46 巻 T-6
    発行日: 2018年
    公開日: 2022/01/10
    会議録・要旨集 認証あり
    地磁気逆転地層理解に関するバーチャルミュージアムのコンテンツを自主的に制作し提案するための 標準フォーマットとしてのXMLと、物理現象のシミュレーションを行うためのLisp言語の使い方について 紹介する。
  • *白石 史人
    日本地球化学会年会要旨集
    2022年 69 巻
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/30
    会議録・要旨集 フリー

    太古代から現在に至るまで,微生物は地球環境と相互に作用し,その結果として鉱物を沈殿させてきた.その痕跡は岩石中に記録されており,例えば主に炭酸塩鉱物からなるストロマトライトは約35億年前以降で報告されている.また,太古代~原生代に多く形成された縞状鉄鉱層,マンガン鉱床,リン酸塩岩なども,そのような相互作用の痕跡である.それゆえ,これらの岩石から地球史・生命史を読み取ることが可能である.ただしそのためには,それらがどのような微生物によって,どのような環境条件の下で,どのような過程を経て形成されうるのか,といった素過程の情報が必要不可欠である.講演者はこれまで,微生物が形成した鉱物からなる過去の堆積岩と現世の堆積物の両方を対象に研究を行ってきた.本講演では特に現世のものに関して,これまで得られている研究成果を紹介する.

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