日本地球化学会年会要旨集
2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
セッションID: 1A03
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G04 鉱物境界面の地球化学、水−岩石相互作用
非晶質炭酸カルシウムを経由したカルサイトへのストロンチウムイオンの取り込み
*松沼 智史鍵 裕之小松 一生丸山 浩司吉野 徹
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抄録

アラゴナイト構造を取るSr2+は、同じくアラゴナイト構造の結晶に取り込まれやすく、カルサイト構造には取り込まれにくい不適合元素であることが知られている。我々の実験ではストロンチウムを取り込んだACCを加圧することで結晶化させ、ストロンチウムが本来入りにくいカルサイト結晶中に取り込まれるかを調べた。その結果、出発溶液中のストロンチウム濃度が上昇するにつれて、ACCを加圧して得られたカルサイトの格子体積の上昇が観測された。これによって、カルサイトの構造中にSr2+が取り込まれたことが分かった。比較試料の格子体積はSr/(Sr+Ca)が8%程度までは増加し、その後ほぼ一定となったことから、ACCを経由したカルサイトの方がストロンチウムを多く取り込んでいたことが分かった。特性X線マッピングから、取り込まれたストロンチウムは一様に分布していることが分かり、加熱した試料からは、炭酸ストロンチウム結晶は検出されず、格子体積の減少も見られなかった。

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© 2014 日本地球化学会
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