主催: 日本地球化学会年会要旨集
海底鉱物資源開発の大きなうねりが世界規模で拡がっており、それに伴う海洋環境評価もまた新たな学問分野として急速に展開している。日本でも、これまでのJOGMECの海底熱水鉱床開発計画に加えて、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)として、次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)が省庁連携で開始された。後者にはJAMSTECを始めとする国立研究開発法人のほか、公募を通じて多くの大学、民間企業が研究・技術開発に参画しつつある。計画は、海洋資源の成因に関する科学的研究、海洋資源調査技術の開発、および、生態系の実態調査と長期監視技術の開発、の3本柱よりなる。計画では出口戦略として海洋産業の創出を追求している。基礎研究であっても、その解析・分析ノウハウや、自ら開発した測定機器などを民間企業へ技術移転することが既に進んでいる。このような動きの中で、地球化学者が果たすべき役割について考える。