モナザイトは, 地質年代系として火成・変成岩に幅広く用いられている. また, 特徴として, 鉛の拡散速度は遅いにも関わらず, 再結晶化により年代のリセットが起きることが指摘されてきている. したがって, 得られる年代の解釈は重要であり, 岩石・鉱物組織とともに元素組成などから制約を与えることが必要となる. しかし, 温度圧力履歴・バルク組成の異なる岩石に含まれる様々な起源のモナザイトとその微量元素組成の関係性については未だ明らかでない. そこで,モナザイト微量元素組成と形成環境の関係性を明らかにするため, 変成岩などに含まれるモナザイトの微量元素組成を比較する. 各微量元素を選択的に取り込む鉱物の存在量がモナザイト微量元素組成に大きく影響しており, モナザイト微量元素組成はどのような鉱物と共成長し, それら鉱物の量比はどうであったかという形成環境を制約する指標となり得ることが示唆された.
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