日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
加齢および Alzheimer 病によるリンパ球幼若化能の変化
WST-1法による測定
高松 範雄
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1998 年 35 巻 7 号 p. 535-542

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抄録

WST-1法は, 細胞内の乳酸脱水素酵素などの関与する脱水素反応の活性を比色定量することを利用して, 間接的に細胞増殖能の程度を知る方法である.
今回, このWST-1法を, 同種の比色定量法であるMTT法と比較したところ, 簡便性, 正確さ, 感度の点からWST-1法のほうが優れていることが明らかになった.
そこで, WST-1法の使用例として, 健常者40例 (40~76歳) と Alzheimer 病患者16例 (47~74歳) を対象に, リンパ球をPHA-P刺激下で培養し, 幼若化の程度を測定した.
その結果, 健常者群では, リンパ球幼若化能の程度を表す比色値 (Y) と年齢 (X) の間にY=-0.0085X+1.473 (r=-0.3108, p<0.05) の相関関係が成立することがわかった.
また, Alzheimer 病患者では, 加齢とともに比色値が増大する傾向が認められた.

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