本研究の目的は,他者が発する会話による騒音があるオフィスにおいて,コミュニケーションや情報共有の促進という目的を損なうことなく,作業者が執務や打ち合わせに集中しやすくするための設計指針を得ることである。実験による主観評価の結果,個人で行う作業の場合には,無意味定常雑音をつかったマスキングノイズがあると,作業への集中のしやすさや会話の気になり具合が改善する傾向が見られた。同様に,打ち合わせ等の会話を行う場合には,会話の主体が見えないよう間に仕切りを設置すると,会話への集中のしやすさやミーティング環境としての快適感が改善する傾向が見られた。(表1,図15)