2017 年 17 巻 2 号 p. 2_196-2_200
本稿では,2016年熊本地震の強震動の作用により造成地すべりを伴う深刻な被害が発生した南阿蘇村の造成宅地,およびその近隣の造成宅地を対象に,地盤震動特性を考慮して本震時に作用した地震動を評価した結果について報告する.具体的には,現地調査に基づいて評価したサイト特性と野津による特性化震源モデルの組合せを用いて,本震時に各々の対象宅地に作用した地震動を推定した.その際,対象宅地周辺の南阿蘇村長陽庁舎で観測された本震記録を再現することで,地震動推定手法の適用性の確認を行った.