日本看護科学会誌
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原著
在宅高齢者の介護予防に向けたフットケアプログラムの開発
第2報:高齢者によるフットケアの効果の検討
姫野 稔子 小野 ミツ孫田 千恵
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2014 年 34 巻 1 号 p. 160-169

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抄録

目的:高齢者自身が実施したフットケアによる足部の形態・機能および立位・歩行能力の変化を検討し,介護予防の視点からフットケアの有効性を検証した.
方法:生きがいデイサービスを利用している高齢者にフットケアの指導的介入を実施し,介入の1週間前,6週間後,介入終了後に足部の実態・機能,立位・歩行能力を測定し,変化の比較を行った.
結果:研究対象者は7人の在宅高齢者であった.フットケアによる手段的ADLおよび転倒不安感には変化はなかったが,自己効力感は若干の向上がみられた.足部の変調は,循環状態や筋疲労に関する項目が改善した.足部の皮膚異常も改善や消失がみられた.感覚機能では右の踵部以外の測定部位で有意に向上し(p<0.05),循環機能も有意に向上した(p<0.05).立位・歩行能力も期間全般にわたり有意に向上した(p<0.05).
結論:高齢者によるフットケアは,足部の機能およびADLの維持に不可欠な立位・歩行能力を向上させ,介護予防として意義がある可能性が示唆された.

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© 2014 日本看護科学学会
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