埋設物等の埋戻し部における液状化対策工法のうち,埋戻し土の固化,特にセメントを用いた改良土では室内配合設計で十分な掘削性を確保した場合であっても,過強度発現による掘削時の施工性に問題が残る場合がある。本研究では,埋設構造物埋戻し部の液状化対策工法として,泥固化処理等に実績のあるフライアッシュ系改良材(FAI)の適用性に着目した。改良対象地盤を豊浦砂とし,主に液状化強度・変形特性と再掘削性について一連の室内実験を実施して検討を行った。FAI添加率および養生日数が一軸圧縮強さに及ぼす影響,およびFAI改良土と従来のセメント改良土との掘削性能の違いを簡易掘削試験により確認した。これらの結果から,対象地盤材料を豊浦砂とした場合,再掘削性を考慮した埋戻し土の地盤改良は,添加率2%のFAI改良土が適切であることを示した。また,液状化強度特性に及ぼすFAI改良効果を明らかにするとともに,動的計測による微小せん断剛性率により,FAI改良による液状化対策効果を評価できる可能性があることを示した。