日本耳鼻咽喉科学会会報
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総説
他科からの耳鼻咽喉科への期待
—形成再建外科からの耳鼻咽喉科への期待と世界に発信を—
木股 敬裕
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2011 年 114 巻 5 号 p. 485-490

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抄録

頭頸部はご存じのように解剖学的に非常に複雑でありながら, 最も人間のQOLにとって大切な機能を有している領域である. この魅力的な領域であるにもかかわらず, 多くの患者に良い医療を提供できるまでの医療人の充足とその整備が進んでいないのを現場の再建外科医として感じている. 今回, 再建外科医の立場から期待する点は,
1) 耳鼻咽喉科学会に期待すること
・多様化する治療内容から標準的治療指針の確立を
・頭頸部癌に携わる職制の整備を
・各病院の分化度を上げる
・国民・患者に対して, 頭頸部癌の情報提供を積極的に
2) 各病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科Unitに期待すること
・チーム医療の推進を
・周辺施設や自宅などとの連携医療システムの確立を
・患者に対する疾患と治療に関する情報提供を
3) 耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師に期待すること
・基礎的な外科技術からより高度な外科技術の習得を
・長期的合併症を抑えるために放射線照射は最小限に
・形成再建外科医師に術後の短期的長期的結果の情報提供を
である. さらに4) 世界に発信するような意識と戦略を, 耳鼻咽喉科学会全体と会員の皆さまに持っていただきたい. そして, 若い医師達がこの非常に魅力的な領域に興味を持ち, 頭頸部外科医師がどんどん増え, 全国どこでも患者に良い医療を提供できるような, さらに素晴らしい体制になることを願ってやまない.

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© 2011 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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