2010 年 51 巻 2 号 p. 199-202
われわれが福島県立医科大学付属病院および福島県総合療育センターにおいて, 聴覚障害をもつ重複障害児に対して行っている聴覚獲得支援について報告し, 重複障害児に対する補聴器, 人工内耳の適応について論じる. 重複障害児にとっても人工内耳は聴覚獲得のためには有用な手段となるが, その適応には十分な協議が必要である. 重複障害児において, 補聴器および人工内耳により聴覚補償を行うことは, 非言語的ないし情緒的レベルを含んだコミュニケーションを改善させる観点から有用である.