目的;本邦初の喉頭に特化した東京ボイスセンター(以下当センター)における音声障害症例に対して統計学的検討を行った.対象;過去5年間に受診した音声障害症例4075例である.方法;性,年齢,疾患,喫煙歴,声の職業性などについて統計学的に検討した.結果;声帯に噐質的変化を認めるもののなかでは声帯結節,喉頭炎,声帯ポリープの順に,声帯に著変を認めないもののなかでは機能性発声障害,上咽頭炎,痙攣性発声障害の順に多く認めた.声帯結節,喉頭炎,声帯ポリープ,声帯嚢胞の順に声の職業性との高い有意性を認めた.ポリープ様声帯,喉頭白板症,喉頭癌,声帯嚢胞,声帯ポリープの順に喫煙率との高い有意性を認めた.結論;1)過去の報告と比較して声帯結節,上咽頭炎,声帯嚢胞,痙攣性発声障害を多く認めた.2)声帯嚢胞と声の職業性との関連性を示唆した.3)声帯嚢胞と声帯ポリープの喫煙との関連性を示唆した.