音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
ISSN-L : 0030-2813
原著
機能性発声障害に対する音声治療効果の検討
香田 千絵子梅野 博仁濱川 幸世千年 俊一上田 祥久中島 格
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 55 巻 2 号 p. 155-161

詳細
抄録

当科で過去20年間に機能性発声障害と診断し,訓練適応と判断した症例における音声治療効果について検討した.対象患者は49例で,年齢,病悩期間,性差,訓練期間,背景について調査し,訓練後の発声改善効果を検討した.
その結果,機能性発声障害は若年層,女性に多く見られ,タイプ別では過緊張型,低緊張型が多かった.音声治療を終了した39例中著効22例(56.4%),改善11例(28.2%)であり,計33例(84.6%)に音声の改善を認めた.長期の訓練期間を要したのは過緊張型であり,短期の訓練期間ですんだのは低緊張型であった.

著者関連情報
© 2014 日本音声言語医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top