砥粒加工学会誌
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電解還元水スラリーを用いた磁気援用加工法に関する研究
非磁性工作物に対する除去能力および仕上げ面性状
川久保 英樹佐藤 運海村田 修一
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2016 年 60 巻 9 号 p. 509-514

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抄録

磁気援用加工法は,微細凹凸面や自由曲面の仕上げに有効である.そのようななかで,研磨材スラリー供給式磁気援用加工は,常に新しい砥粒が供給されると同時に,切りくずも排出するため,研磨性能が安定しており,長時間の仕上げ加工に適している.一方,電解還元水は,洗浄工程における化学薬液の代替洗浄液として期待されている.洗浄以外にも,切削油剤の代替液として使用した報告があり,電解還元水は研磨材スラリーのベース液として,使用可能であると考えられる.本報では,電解還元水スラリーを用いた磁気援用加工法の基礎的研究として,非磁性工作物に対する除去能力,および仕上げ面性状について検討した.その結果,金属加工液スラリーを用いた従来法と比較して,除去能率に対する砥粒濃度の影響が小さく,均一な研磨条痕の仕上げ面が得られることを明らかにした.さらに,従来法よりも仕上げ面の圧縮残留応力が大きくなることを明らかにした

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© 2016 社団法人 砥粒加工学会
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