ダイヤモンドコーティング工具による超硬合金のエンドミル加工においては,エアブローにより工具寿命が増加することが経験的に知られているが,その理由が工具の冷却によるのか,あるいは切りくず排出性の向上によるのかは十分に解明されていない.本研究では,切削直後の工具逃げ面の温度を測定するとともに,高速度カメラによる切りくず排出過程の可視化を行うことで,エアブローの効果を冷却効果および切りくず排出効果の観点から検討している.その結果,エアブロー流量を増加させても切削点における工具温度は低下せず,冷却効果の向上は認められなかった.一方,エアブローによる切りくず排出性の向上により,加工面に付着した切りくずのかみ込みに起因する工具の局所的な損耗が抑制されることを明らかにした.このことにより,ダイヤモンドコーティングエンドミルを用いた超硬合金の切削加工では,切りくずの迅速かつ効率的な除去を主目的としてエアノズルの配置や流量を最適化することが重要である.
近年,センシング技術の発展により加工プロセスのリアルタイム監視や予測的メンテナンスが可能となり,品質管理や生産性向上が図られている.センシング技術を活用した自動検査システムが実現できれば,測定誤差や人為的ミスを減少させ得るとともにリアルタイムでのフィ-ドバックにより即時のプロセス改善が可能となる.本報では,平面研削加工における検査レスを目的として,加工中に取得した主軸の電流値および主軸頭の加速度を用いて削り残し量の推定を試みた.その結果,センシングデ-タと削り残し量との間に一定の相関関係があることを確認し,センシングデ-タから削り残し量を推定できることを明らかにした.本報の成果により検査工程削減の可能性を示した.