2014 年 70 巻 4 号 p. I_701-I_709
NTTの通信ネットワークを構成する要素に,河川を横断する手段としての専用橋がある.同設備はケーブルが集中するネットワーク上の要所であり,これまで耐震対策を講じてきた.しかし専用橋の中には旧標準の鋼管同士を平鋼で結束させた特殊な形式があり,この耐震性は十分検討されていなかった.そこでネットワークの信頼性を向上するために,数多くある特殊な専用橋の中から特に地震時に被災する可能性のあるものを把握する手法を検討した.まず地震動によって被災が発生する条件を把握するために,複雑な構造を持つ同設備の振動特性を計測により把握した.この計測を基に動的解析を行い,さらに動的解析結果を表すことができる簡易な回転バネの梁モデルを検討した.これにより,橋長および条数から被災し得る橋をスクリーニングする手法を得た.