心電図
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特集 座談会 心室頻拍・心室細動に対するアミオダロンの使い方―静注薬を中心として―
本邦におけるアミオダロン静注薬の現状
清水 渉
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2010 年 30 巻 4 号 p. 344-349

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抄録

2007年7月より,本邦でも致死性心室不整脈に対してアミオダロン静注薬の使用が認められるようになった.欧米ではARREST,ALIVEなどの試験により得られたエビデンスから院外心肺停止例に対する適応が認められているが,本邦では生命に危険のある心室細動(VF),血行動態不安定な心室頻拍(VT)で難治性かつ緊急を要する場合にのみ保険適応となる.2007年7月から2008年7月までに,当院における薬剤抵抗性不整脈患者18例(虚血性心疾患7例,非虚血性心疾患11例)に対してアミオダロン静注薬を使用した.対象不整脈は,VF4例,持続性VT9例,非持続性VT2例,心不全を合併した心房不整脈3例であった.アミオダロン静注投与開始前に,9例でリドカイン静注,6例でニフェカラント静注投与を行っていたが無効であった.アミオダロン静注投与は平均9.9日(1~37日)行い,投与開始前24時間と投与開始後24時間を比較し,不整脈が停止あるいは減少した場合を有効としたところ18例中15例が有効であり,torsade de pointesなどの重篤な合併症は認めなかった.

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© 2010 一般社団法人日本不整脈心電学会
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