2012 年 28 巻 5 号 p. 241-249
川崎病は1967年に川崎富作先生が初めて報告した小児期に好発する原因不明の血管炎症候群である. 免疫グロブリン超大量療法とアスピリンの併用が現在標準的治療として広く用いられている. しかし約2割の患者が標準的治療で解熱せず, 冠動脈病変を合併する患者の多くが免疫グロブリン不応例である. 近年免疫グロブリン不応例を予測する新規スコアが開発され, 川崎病初期治療層別化の有用性が明らかとなってきた. 本総説では川崎病急性期治療の歴史, 最新の治療戦略, 今後の目指すべき方向性について解説する.